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平成17年第4回定例議会における代表質問
質問者 小林 清光

私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して質問をいたします。
まず、質問に入る前にお祝いを申し上げたいと存じます。
去る十一月十五日に天皇・皇后両陛下の長女、紀宮清子様と東京都職員の黒田慶樹さんが御成婚されましたことに、心より祝意を申し上げます。これからは「黒田家のお一人として」「心安らぐ御家庭」を築いていかれることと存じます。お二人のお幸せが幾久しく続きますようにお祈りさせていただき、以上申し上げ、区長、教育長、保健衛生部長に質問をいたします。
質問に先立ちまして、都区財政調整主要五課題について、我が会派の考えを一言表明させていただきます。
これまで当区議会は、特別区議会議長会とともに特別区長会と連携し、要請行動など都区財政調整主要五課題の早期解決に向け取り組みを行ってきたところであります。
しかしながら、本年八月から十月にかけて集中的な協議が行われた都区財政調整協議会において、五課題の一部については都区の認識が一致を見たものの、都が行う大都市事務を明確化し、これに基づく財源配分を行う課題など基本的な部分で都区の見解は平行線をたどり、解決にはほど遠い状況が続いております。
その原因は、これまでの都側の協議姿勢にあります。特別区に対する都の姿勢は、都が国に対して表明している分権改革の理念とも矛盾しており、真の分権改革に逆行した主張と言わざるを得ません。主要五課題の早期解決のため、東京都が現状の打開に向け、早急にかつ最大限の努力を払われるよう緊急要請する考えを申し上げ、質問に入ります。
我が国の行財政を取り巻く環境は依然として極めて厳しく、政府においては、国・地方を通じる行財政改革の推進に強力に取り組んでいるところであります。こうした中、本年三月に総務省が地方公共団体における行政改革の推進のための新たな方針を策定し、より一層積極的な行政改革の推進に努めるよう各地方公共団体に通知をいたしました。もとより本区においてもこれまで二次にわたる行財政改革に取り組み、実績を上げてきたところではあります。しかしながら、国の三位一体改革における所得税から個人住民税への税源移譲は、個人住民税所得割税率をフラット化する方向で税制改正を実施する内容であり、税源移譲までの暫定措置である所得譲与税の廃止や国庫補助負担金の削減などを含め、本区にとっては歳入の大幅減につながることが懸念されます。このような社会情勢の変化と厳しい財政状況のもとで、住民サービス向上のため、本区として少子高齢化、防災、安全対策など喫緊の課題に着実に対応していくとともに、老朽化施設の改修、協働型まちづくりの推進といった中長期的施策が控えており、その実施に耐え得る区の財政基盤の強化が急務となっています。
そこでお伺いいたします。本区は今後の行財政改革をどのように進めるのか、その目玉は何か、区長の御所見をお伺いいたします。
次に、安全・安心に住み続けられるまちづくりについて、大きく三点お伺いをいたします。
最初に、初台二丁目マンションについてであります。
マスコミ報道によりますと、首都圏のマンションなど二十一棟の強度に関する書類が偽造された問題で、千葉県は二十一日、千葉県市川市の姉歯建築設計事務所が九六年以降に構造計算にかかわった建築物が二十二都道府県で計百九十四物件に上ったと発表されましたが、渋谷区でも一棟、初台二丁目マンションが耐震基準〇・七八であると国土交通省のホームページに記載されておりました。
国交省は二十二日、耐震性不足の建物について、自治体が取り壊しや改修を命じる際の統一基準を決めたと報道されておりますが、早急に足並みをそろえる必要があると思います。
また、販売元の不動産会社シノケンによると、渋谷区の一棟も解体する方針で四十四戸の住民に退去を求めていると報道されておりますが、区はこの問題に対してどのような対応をするのかお伺いいたします。
九八年に建築基準法が改正され、建築確認業務は自治体から民間に開放され、そのうち建築確認業務の七四%に当たる六百二件を民間が担い、うち百九十三件がイーホームズが担当しました。今日の問題の根底には、民間に開放された建築確認業務が営利目的に走り過ぎた結果、生じたことではないでしょうか。建築確認業務等を含めて、区はどのような対応をするのかお聞かせください。
続いて、まちづくりについてお尋ねいたします。
平成十七年十一月一日に協働型のまちづくりのための理念と手続を定めた渋谷区まちづくり条例が施行されました。そして、十一月二十二日には、本条例に基づき設置されたまちづくり審議会の第一回目の会議が開催され、景観計画案の策定が諮問されるなど、桑原区長が目指すまちづくり条例体系の整備に向け、新たなまちづくりへの取り組みが着々と進められております。
協働型のまちづくりを実践することにより、渋谷区のまちづくりの基本方針であるまちづくりマスタープランに定める渋谷区のまちの将来像を絵にかいたもちとすることなく、確実に実現を図っていく姿勢を高く評価するものであります。
区と区民と企業等が相互に連携・協力して進める協働型のまちづくりを実践する上で、地域住民等によるまちづくり協議会は必要不可欠であると考えます。
これまでも区とまちづくり協議会が連携・協力して表参道地区、神宮前五・六丁目地区の二地区で地区計画が策定されるなど、地域のまちづくりにとって、まちづくり協議会は大きな力を発揮してきました。まちづくり協議会は、まさに地域を代表するまちづくり組織であると言うことができると考えます。
今回、渋谷区まちづくり条例には、区の認定を受けたまちづくり協議会に対する各種の支援や各種の提案権を与える仕組みが設けられました。そうした意味で、区がその地域を代表するまちづくり協議会を認定することは大きな意味を持つものであり、その認定に当たっては当該まちづくり協議会が本当に地域を代表しているか否かを見きわめ、慎重に行われるべきと考えます。
同一地域に複数のまちづくり協議会が存在し、相異なるまちづくりが実施されたり、地域を代表していると認められないような組織が好き勝手なまちづくりを実施したりすれば、まちを二分しかねない結果にもなってしまいます。
そこで区長に伺います。区がまちづくり協議会を認定するに当たり、想定している対象エリアと認定要件、認定手続についてお聞かせください。
まちづくりの最後に、高さ制限についてお尋ねをいたします。
区長は第三回定例会の所信表明において、高さ制限は地区の合意のもとに地区ごとのまちづくりを推進できる地区計画により実施するべきであるとの基本的な考え方を示されました。
これまで渋谷区では良好な住環境が維持されてきましたが、総合設計制度など建築法令の規制緩和の流れを受け、区内でも高さ百メートルを超えるような建築計画が発表されております。
住居系の用途地域のすぐ近くや、あるいは住居系の用途地域に高層の建物が新たに建築された場合、近隣住民の受ける圧迫感や日照被害、風害、プライバシー被害などは大変大きなものがあります。
また、一たん建物が建築されてしまえば、その後何十年にもわたり、近隣住民はそうした環境の中で生活をしていくほかありません。
仮に一度建てられた高層の建築物は、建築基準法などの関係法令を守って建築されているとしても、近隣の住環境が十分に守られているとは言いがたい状況にあります。そして、ある程度広い敷地であれば、想像を超えるような高さの建物の建築も可能であると思います。
このような状況の中で、高層の建築計画が発表されるごとに区内の各地で近隣住民との建築紛争が発生しており、たとえ行政が紛争調停をしたとしても、関係法令を守っている以上いかんともしがたく、多少の譲歩を引き出せたとしても、結局は事業者の計画に近い建物が建築されてしまうわけです。
一方、お隣の新宿区では、建築紛争の多発を受けて、高度地区による絶対高さ制限を区全域に導入を図ることを目指しておりますが、必ずしも理解を得られたとは言えません。
地区の合意のもとに地区計画による高さ制限が本区に最も適していることは、私も区長の考え方と同じでありますが、地区計画を区全域にかけていくことは相当な時間を要することも事実であります。
そこで、建築紛争を未然に防止し、地域の住環境を守る立場から、地域ごとの特性を考えながら、それぞれの地域に対応した高さ制限を導入すべきであると考えますが、そのためにはどうすればよいか、区長の考え方について伺います。
次に、福祉に関しまして、大きくは二点、障害者自立支援法と次期介護保険事業計画について区長に質問をいたします。
まず、障害者自立支援法についてであります。
十月末の国会におきまして、障害者自立支援法が成立しました。この法律は障害のある人の地域生活と就労を進める障害者基本法の基本的理念にのっとり、これまで障害種別ごとに異なる法律に基づいて提供されてきた福祉サービス等について、共通の制度のもとで一元的に提供する仕組みを創設しようとするものであります。
この障害者自立支援法による改革のねらいとしては、第一にはサービス提供主体を区市町村に一元化するとともに、身体障害、知的障害、精神障害の種類にかかわらず共通の福祉サービスを共通の制度により提供する。
第二には、障害者がもっと働ける社会にするため、一般就労へ移行する事業を創設するなど、働く意欲と能力がある人が企業等で働けるよう福祉の側から支援する。
第三には、それぞれの地域の実情に応じて、身近なところでサービスが利用できるよう空き教室や空き店舗の活用も視野に入れて規制緩和する。
第四には、支援の必要度に応じてサービスが公平に受けられるよう、利用に関する手続や基準を透明化し、明確化する。
第五には、増大する福祉サービス等の費用をみんなで負担し、支え合う仕組みの強化。つまり適切な経過措置を設けた上で、食費等の実費負担や利用したサービス量等や所得に応じた利用者負担を求めるとともに、サービス等の費用負担について、国が義務的に負担する仕組みに改めるというものであります。
そして、新たな利用手続や在宅福祉サービスに係る国等の義務的負担化、福祉サービス等の利用者負担の見直し等については、平成十八年四月一日から、また新しい施設及び事業体系への移行に関する事項は、平成十八年十月一日から施行されることになっております。
この障害者自立支援法は、現行の障害者制度である支援費制度を大幅に改正するものであり、障害者やその家族、そして区に与える影響は極めて大きなものがあると考えます。
そこで、現在まだ新制度の詳細な内容がわからない状況であることは承知していますが、今後の障害者福祉施策について現時点における区長のお考えを伺います。
また、区はこれまで第二次障害者保健福祉計画に基づき、様々な施策の具体化を図っております。特に現在の心身障害者福祉センターの用地を活用しての(仮称)障害者福祉複合施設建築計画は、障害者団体や関係者から大きな期待をされているところであります。
今回の障害者自立支援法の成立により、今区が進めているこのような計画や施策はどのような影響を受けるのか、そしてそのスケジュール等は今後どうなるのか、区長にお伺いいたします。
次に、次期介護保険事業計画についてであります。
現在、平成十八年度を初年度とする新たな介護保険事業計画及び高齢者保健福祉計画の策定に向け、その基本的方向について、介護保険事業計画等作成委員会で検討されています。その介護保険事業計画等作成委員会での検討の進捗状況については、前回第三回定例会における我が会派の代表質問に対して、区長から十月末ごろには中間のまとめとして報告を受ける予定という御答弁をいただきました。
介護保険事業計画等作成委員会では、被保険者代表委員を初め非常に熱心な検討がなされ、今月、区長に対しその中間のまとめの報告があったと聞いておりますが、もちろんこの報告はあくまでもこれまでの検討内容をこの時点で一度整理したものであり、現時点においても施策の細部を実質的に定める政令や通達等が未整備のため、今後の方向性を判断するに当たって、なお不透明な部分や未確定な部分が多々あるということは十分承知しております。その上で、今後の実際的な影響という観点から、区民にとって関心が高いであろうと思われる課題について、区長に質問いたします。
まず、最も関心が高いであろう介護保険料についてであります。
六十五歳以上の高齢者を対象とする第一号被保険者の介護保険料は保険者ごとに定めるものであり、サービス量が多ければ保険料は高く、保険料が安ければサービス量は少なくなるというように、いわば保険料はサービス量と比例の関係にあります。すなわち、サービス量が増大すればそれに伴って区民の負担もそれに見合って一定程度増加せざるを得ないものであります。
現在、渋谷区の高齢者は約三万六千人、高齢化率は約一八%ですが、今後、団塊の世代が高齢者となるなどますます高齢化が進むことも考えると、必然的にサービス量が増加し、それに伴って介護保険料も上昇することが予想されます。
不確定な要素が多くありますが、この中間のまとめの段階における介護保険料の金額としてはどの程度になると見込んでいるのか、お伺いいたします。
また、介護保険制度はその費用をみんなで公平に負担し、介護を社会全体で支えようとする制度です。したがって、サービスが増える以上、それに応じて介護保険料や利用料がある程度の負担増となることはやむを得ないと考えます。
一部には、あらゆる人の自己負担をゼロにし、すべてを公費で賄えというような主張をする人もいますが、公平な負担という理念からは、問題があるのではないでしょうか。
もちろん、一方で予期し得ない過激な負担増に耐えられないような方々もいらっしゃいます。そのような真に負担の困難な方々に対しては、渋谷区はこれまでも区独自の低所得者対策を実施し、成果を上げてきました。十月から始まったいわゆるホテルコストや食費の自己負担化に当たっても、他区に先駆け、果敢に区独自の低所得者対策をとっております。
そこで今後、介護保険料等のアップが必要な状況が予想される中で、区長はこの費用負担のあり方についてどう考えるのか、そして低所得者対策等にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
また、費用負担のあり方については区民に十分に周知し、その理解を求めていくことが重要だと思いますが、いかがでしょうか。
次に、保険料等の負担の増加を抑制していくためには、要介護にならないようにすることが必要です。その意味で、介護予防がますます重要になってくると思います。改正介護保険法におきましても、要介護の人には新予防給付、虚弱な特定高齢者に対しては地域支援事業により、それぞれ要介護度の悪化や要介護状態になることを防ぐというのがその基本的な考え方となっています。
特に、渋谷区が独自に実施することができる地域支援事業については、期待されるところが大きいわけですが、今後区長はどのような事業を展開していこうと考えているのか、お伺いをいたします。
次に、ごみの問題であります。
無駄なごみを減らし、限りある資源を再利用するため、資源ごみについて区長にお伺いいたします。
まずは、資源ごみの持ち去りについてお伺いします。
区民が区の資源回収に協力して新聞、アルミ缶などの資源を集積所に出しているにもかかわらず、悪質な持ち去り業者により、それらの資源が無断で持ち去られていることは大変残念なことであります。
資源をごみとして捨てることなく回収に協力することは、資源を有効に活用することから重要であるばかりでなく、回収された資源は区の売り払い収入にもなることから、区の貴重な財産にもなるものであります。
こうした資源回収に協力する区民の気持ちを裏切るような持ち去り業者に怒りを覚えるとともに、一方で区民の多くから、区に協力しているのに資源の持ち去りはおかしいとして、区の対策への要望が寄せられております。また、アルミ缶などを抜き去るためにごみ袋をあさる行為は、ごみを出す区民の個人情報を守る上からも、大変ゆゆしい事態であると言わざるを得ません。
現場にたまたま居合わせた区民が注意をすると、持ち去り業者は逆に開き直り、強圧的な態度さえとっているありさまと聞いております。この現状でこのまま放置すれば、区が行う資源回収に協力する区民の意欲が減退し、ごみの減量とリサイクルの推進という区の重要な施策にも悪い影響を与えかねない状況であります。資源を集団回収の場所に出せば持ち去られることはないとされますが、実際に集団回収の場所までは遠く離れて利用できないことが多いのが現状です。
他区では資源の持ち去りに対して条例を制定し、罰則を設けて厳しく取り締まっているところもあると聞きます。こうした資源の持ち去りを防ぎ、ごみ減量とリサイクル意識を高めるために区はどのような方針で取り組んでいくのか、区長の御所見を伺います。
次に、ペットボトルの資源回収についてであります。
ペットボトルのリサイクルは容器包装リサイクル法のもとで貴重な資源として回収されておりますが、本区のように若い人たちの単身者も多く、飲みかけでもしっかりと栓が閉まり持ち運びにも便利なため、毎日のようにペットボトルが必要とされ、利用されております。
文化的なライフスタイルが広まっている都会では、ペットボトルの回収については、大きな課題に直面していると思われます。
現状のペットボトルの回収はコンビニ、スーパーでの店頭回収が中心でありますが、それだけでは回収量に限界があると思われます。また、飲料容器の中でペットボトルの生産量は急増しており、今後ますます利用されるペットボトルは増加することが予想され、区民にとって資源回収してほしい品目のトップはペットボトルであるとも言われております。
本区でもペットボトルをしっかり回収し、リサイクル率を高める施策について検討する必要があると考えます。回収には多くの費用が必要であることは承知しておりますが、区民がより利用しやすい身近なごみ集積所で回収することができないか、区長の御所見を伺います。
続けて、カラス被害についてお伺いいたします。
多くの区民がごみ集積所がカラスに荒され、破れた袋からごみが散乱する被害に悩んでいます。従来、渋谷区はカラスを防ぐ網の無償貸与やごみ集積所の分散のほか、繁華街における早朝七時三十分からのごみ収集を実施してきました。しかし、カラスは知能が高く、ネットをかけても巧妙に袋を引きずり出してえさをあさる姿がまだ多く見られる状況です。ごみを出す際には、容器によることが原則ですが、区民には十分浸透しておらず、ごみ袋を使用するケースが大半です。また、決められた日時を守らないごみ出しもあり、カラスとの知恵比べの状況であると思います。
杉並区ではカラス被害への対策として、カラスの目に不透明に見える黄色のごみ袋の使用実験を行いました。期間中の調査では、ごみ集積所ではカラスの被害を受けた袋の割合は黄色の袋が六%と少なく、半透明などそれ以外の袋が九四%で、黄色のごみ袋の効果は大きいという結果でした。この結果を受けて、杉並区では十月から黄色のごみ袋の販売を開始しました。
また、新宿区では十一月から歌舞伎町での早朝収集とともに、黄色のごみ袋の実証実験を開始したと聞いています。
黄色のごみ袋は値段が高いため思うように普及が進まないとも聞いております。区はどのような方針でカラス被害の解決に取り組んでいくのか、区長の御所見をお伺いいたします。
次に、インフルエンザに対する区の対策について、保健衛生部長に御質問をいたします。
十一月十四日、国が新型インフルエンザ対策行動計画を発表したところでありますが、これに関連して。最近、アジアにおける鳥インフルエンザウイルスの人への感染を伝える報道が続いています。鳥インフルエンザウイルスは、鳥から人への感染を繰り返すうちに人から人に感染する全く新しいタイプのウイルス、いわゆる新型インフルエンザウイルスに変化する可能性があると仄聞しております。
新型インフルエンザウイルスが一たび出現した場合、ほとんどの人が抵抗力を持たないために急速に感染が広がり、大流行になると予測されています。
これまでのインフルエンザの大流行については、大正七年のスペイン風邪や昭和四十三年には香港風邪があり、社会性機能や経済活動に大混乱をもたらしました。スペイン風邪の流行規模が過去最大で、世界で約四千万人が死亡し、我が国でも三十九万人が死亡いたしました。
さて、新型インフルエンザに対しては、我が国の新型インフルエンザ対策行動計画によると、全人口の二五%が新型インフルエンザに罹患すると想定しており、医療機関を受診する患者数は最大約二千五百万人と推定しております。大流行時には不要不急の外出や集会の自粛などの勧告が出る可能性もあり、社会的な不安が広がり、大混乱とならないことを願うばかりです。
現在、WHOを中心に世界的に対策がとられようとしておりますが、渋谷区は諸外国との交流が盛んな国際都市であります。いまだ新型インフルエンザ患者発生の報告はないものの、一たび世界じゅうのどこかで新型インフルエンザが発生した場合に備えた対応が重要であります。
そこで、保健衛生部長にお伺いいたします。渋谷区としても新型インフルエンザに対して医療機関等と協力して準備をする必要があると思いますが、区の対応についてお聞かせ願います。
続いて、教育関係問題に入ります。
初めは、学校施設の積極的活用と総合型地域スポーツクラブについてお伺いいたします。
渋谷区では昭和二十二年、現在の渋谷区体育協会の前身である渋谷区体育会が設立され、昭和二十四年ごろには地区体育会、そして昭和三十九年にはスポーツ少年団が加入し、その年に開催された東京オリンピックへ全面協力をしてきました。体育協会は、競技団体、地区体育会、スポーツ少年団の三者で構成され、今日に至るまで渋谷区教育委員会の事業に協力をし、それぞれの分野で渋谷区のスポーツ振興のため多大な貢献をされていることは周知のことと存じます。
その中で、地区体育会は、区内各出張所の管轄区域ごとにつくられたもので、他区では例のない渋谷区独自の地域団体であり、区内十一地区において住民の健康増進、コミュニティーの活性化のために活動をされております。
一方、同じく地域住民のスポーツや学習活動を支えている団体に、学校施設開放運営委員会があります。東京体育館や国立代々木競技場など都内屈指の体育施設を持つ渋谷区ですが、区民が使用できる大規模な運動場や体育館については限られています。そのため、二子玉川区民運動施設、スポーツセンター、ひがし健康プラザなどの施設が区の大変な御尽力により建設、整備され、区民のスポーツ環境は大きく向上されてきました。ただ、区民に身近な地域でもっと気軽に活動できる場所も一方では求められており、昭和六十一年、地域の方々により学校施設開放運営委員会が設置され、区民の自主的なスポーツや学習活動の場、地域住民の交流を深める場として地域の多くの団体、個人が利用しております。
現在、区内の全区立小中学校の学校施設を利用し、学校施設開放運営委員会によりスポーツ教室や子どもたちの遊び場開放などの事業が行われているほか、地区体育会では運動会や各種スポーツイベントが実施され、その他PTA、町会、青少年対策地区委員会なども様々な活動を行ってきております。
しかし、都市化により日常生活における運動不足や地域での人間関係が希薄化する中、地域でスポーツをする機会をつくり、地域の活性化を図ることが従前にも増して大きな課題となっております。
このような状況の中、国は平成七年より子どもから大人までの地域のだれもがいつでもスポーツ活動に参加できる場として、また地域住民の交流の場合として、総合型地域スポーツクラブの設立を推進し、平成十二年度には文部科学省のスポーツ振興計画で生涯スポーツ社会の実現に向けた地域におけるスポーツ環境の整備充実を掲げ、必要不可欠な施策として、総合型地域スポーツクラブの全国展開を推進しています。
また、東京都においても平成十四年七月に東京スポーツビジョンを策定。地域スポーツクラブの設立を促進し、来る平成二十五年の東京国体では、選手やボランティアとして総合型地域スポーツクラブがバックアップすることを目指しています。
渋谷区においては、少子高齢化が急速に進む中、子どもや高齢者、障害者など地域のだれもが元気に活動、交流できる場として、学校施設のさらなる活用が求められ、今日まで体育指導委員会等において学校施設開放の活性化が研究、検討される中、今年度、区内五地域において学校施設を拠点とする五つの総合型地域スポーツクラブが設立されることとなりました。
まず初めに、総合型地域スポーツクラブの進捗状況をお伺いいたします。
一方、区では児童の放課後の活動場所として、小学校施設を使用した放課後クラブ事業を昨年度から始めましたが、今後は空き教室を使用した高齢者の介護予防や健康のための事業等も必要な施策ではないかと存じます。このように教育委員会、学校施設開放、地区体育会、今後は総合型地域スポーツクラブなども加わり、学校施設は多様化されることが予想される中、今後、学校施設の使用調整を総合的に行うことが急務となっております。
学校施設の使用については、区はどのように考えているのか区長にお伺いいたします。
次に、最近の学校教育の動向について二点伺います。
一つは、来年度から他区において国の構造改革特区認定による小中一貫教育を実施するという報道があり、それによると、子どもたちが確かな学力と豊かな社会性、人間性を身につけることを目指した教育改革の一つとして、小中一貫教育を実施し、九年間を見通した系統的な教育活動を実施するということです。
また、去る十月に出された中央教育審議会答申において、義務教育の構造改革の一つとして、学校間の連携・接続を改善するための仕組みについて、種々の観点に配慮しつつ十分に検討する必要があると述べています。
我が国では、昭和二十二年以来、六・三制の義務教育制度を実施してきましたが、こうした動きについて教育長の所見を伺います。
二つには、総合的な学習の時間についてです。今春、文部科学省が実施した義務教育に関する意識調査において、総合的な学習の時間をなくした方がよいかという設問に対して、「とてもそう思う」「まあそう思う」を足した割合が保護者では二割だったのに対して、現場の小学校教員で四割弱、中学校教員は六割弱という数字がありました。
一方、現場の先生からは「準備が大変だったがやってよかった」「体験的な学習を通して学ぶ意欲や思考力が高まった」という声も聞いています。
私は各教科の基礎・基本ともに総合的な学習においてはまさにこれからの子どもたちが心豊かにたくましく生きるための総合的な力や資質などを育成するものであると思っています。このことについて、教育長に御所見を伺います。
最後に、教育問題等について伺います。
今月十日からの文教委員会の行政視察において、広島県尾道市土堂小学校を訪問いたしました。その学校は駅から十分ぐらいのところに位置し、斜面に建築されており、日当たり、風通しが良好でした。坂道を上って校門近くまで来ると、児童たちが元気に朝のランニングをしながら、私たちに大きな声であいさつをしてくれました。その元気さに、文教委員全員が圧倒され、感激して、校長先生が玄関にお出迎えになっているにもかかわらず、写真を撮り続けてしまいました。授業が始まるまで校長室にてお話を伺い、その後、一時間目の授業が始まるということでそれぞれが教室に向かいました。間もなく、あちこちの教室からびっくりするような声が一斉に聞こえました。北原白秋の詩を大きな声で合唱し始めたのです。元気な顔、輝く目、こんな子どもたちにびっくりすると同時に、大きな感動を覚えました。
その後、再びお話を伺いました。今の子どもたちの学力と体力を向上させるためには、家庭教育の見直しが必要だと指摘されました。それは陰山先生が実践されている早寝・早起き・朝御飯、読み書き・計算などであり、学力の高い子どもたちは睡眠時間が七、八時間で、それより多くても少なくてもよくないとデータをもとに説明を受けました。 このように基礎学力の定着、向上を目指すためには、食育を含めた教育活動の展開が必要であります。渋谷から家庭教育が見直されれば、それは全国に広がっていくことでしょう。今後の渋谷区の教育においてどのような教育を目指していかれるのか、教育長に御所見を伺います。