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平成18年第2回定例議会における代表質問
質問者 前田 和茂

私は、自由民主党議員団を代表して、桑原区長に質問をいたします。
質問に入る前に、お許しをいただき一言申し述べたいと存じます。
去る五月二十七日のインドネシア・ジャワ島で発生したマグニチュード六・三の地震は、死者が五千人を超える甚大な被害となりました。亡くなられた方々に心より追悼の意を表するとともに、けがをされた方の一日も早い御快癒を心よりお祈り申し上げ、質問に入らせていただきます。
まず初めに、渋谷駅周辺整備事業計画の中での渋谷川についてお尋ねをいたします。
昨年十二月に都市再生本部より、渋谷駅周辺地域を都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域に指定され、渋谷駅周辺は、商業、業務、文化機能の集積を生かし、周辺の緑豊かな環境の調和をとりつつ、多世代による先進的な生活文化等の情報発信拠点を形成することを目標とし、整備を進めることになりました。
この都市再生緊急整備地域の地域整備方針の中には、重点的な市街地の整備の推進に関して必要な事項として「道路や公園などの緑の厚みを生み出し、また、渋谷川などの水辺を生かした良質な空間を創出する都市開発事業を誘導し、周辺とも連携した水と緑のネットワークを形成する」とありますように、渋谷駅周辺の整備には、環境との調和をとるためにも渋谷川の整備は欠かせないことだと考えます。
しかし、渋谷駅周辺で東口地区を考えた場合、渋谷川の計画や東急東横線跡地計画が未定のため、東口地区の将来像が全く見えません。国の河川再生事業を受けた春の小川構想など、様々な渋谷川についての御意見があると承知しておりますが、都市再生緊急地域指定を受けた部分の渋谷川だけでも、一日も早く将来の方向性が示されることを望みます。
今回は、都市再生緊急地域指定を受けた渋谷川の中で、稲荷橋から並木橋区間のみの質問をいたします。
この区間を限定させていただいた理由は、昭和三十六年に東京都都市計画審議会の河川下水道調査特別委員会において渋谷川暗渠化の方針が打ち出され、昭和六十一年からは、渋谷川を暗渠化するために、川の上部にふたをかけることが可能な構造による護岸改修工事が施工されました。しかし、昭和六十三年ごろから、東京都は国の意向を踏まえ河川の暗渠化の見直しを始めたため、渋谷川の暗渠化はストップしてしまったからです。
この渋谷川は現在、水源を持っていないため、平常、水がなく、現実には大雨が降ったときに下水道のバイパスとしての余水吐け機能のみであります。渋谷川の河川環境が著しく悪化したため、平常の水の確保と河川環境の改善を目的として、平成七年、落合水処理センターから高度処理水を導入し、これを並木橋わきから放流することとなりました。
しかしながら、稲荷橋から並木橋までの区間は護岸改修後そのままになっており、依然として水のない区間は大きなコンクリートの溝と化して、また、雨の後は汚水のようなにおいがすることもあり、ユスリカも発生するなど、ますます河川環境は悪化しております。これが都市再生緊急整備地域の指定を受け、整備を行う渋谷駅周辺の顔とも言える部分の現実です。
水がなく、巨大な溝と化していて川として機能していない稲荷橋から並木橋区間については、渋谷川全体とは切り離し、緊急に対応する必要があると考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。
また、一方で、先月の地元新聞に掲載されましたように、渋谷川で同じく余水吐け機能のみで既に暗渠化をされている宮益橋から稲荷橋区間は、地下鉄十三号線、東急東横線の駅前広場や国道二百四十六号線を活用した地下通路、駅東西を結ぶ自由通路などを計画検討するために、渋谷川の一部移転の案が検討されているようです。
もしも東京都が渋谷川の暗渠化を認めないのであれば、今回、移転を検討されている宮益橋から稲荷橋区間と同じ、余水吐け機能のみで通常、水がない稲荷橋から並木橋区間も同じように移転をし、宮益橋より明治通り下を経由し、並木橋につなげれば、昭和六十一年より長きにわたり巨大な溝と化していた渋谷川、稲荷橋−並木橋区間が新たな利用方法も考えられると思いますが、区長の御所見をお伺いいたします。
次に、歩行喫煙撲滅のための渋谷区分煙ルールの強化についてお伺いいたします。
第一回定例会に、「渋谷区における歩行喫煙禁止条例の制定を求める請願」が提出されました。この請願は、現役の高校生から出たこともありましたが、歩行喫煙に対する区民の意識が非常に高いことがうかがえました。我が会派では、現在、渋谷区で施行されている、「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」や「渋谷区分煙ルール」との整合性のため、新たな条例制定には反対しましたが、このような請願が出されるのは、「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」や「渋谷区分煙ルール」が今のままでは十分機能しているとは思えないからです。請願趣旨にあった、やけどや引火など人的被害の防止のためにも、「渋谷区分煙ルール」をさらに強化していただきたいと考えます。
区では、喫煙スペースの設置など分煙対策に努力をされていますが、まだまだ十分ではなく、実際に、私や私の子どもなどが歩きたばこで危ない思いをしたことがあります。また、渋谷区は来街者が多く、「渋谷区分煙ルール」の周知が徹底されていないと思います。「渋谷区分煙ルール」を実効性のあるものにするために、喫煙スペースの計画的な増設や歩きたばこ禁止区域の明確なる表示など、段階を踏み、進めていく必要がありますが、歩行喫煙に対する早急な対策をお願いしたいと存じますが、区長の御所見をお伺いいたします。
次に、震災対策についてお伺いいたします。
渋谷区は、区独自策として震災対策調査を行うなど、震災対策には力を入れられておりますが、今回は、もし渋谷駅周辺で震災が発生した場合についてお伺いいたします。
渋谷区で震災が起きた場合、帰宅困難者は約二十三万人と予想されています。特に来街者が多い渋谷駅周辺での帰宅困難者は、約十万人と予想されています。まず、震災が起きた場合、渋谷駅周辺はパニックになると思われます。東京都防災会議地震部会の被害想定によれば、渋谷駅周辺の滞留者は東京駅に次ぐ多さで、約十八万人と予想されています。
渋谷区では、特に企業など地元の組織に属さない来客や買い物客が多く、駅前に集まってきたその人たちに行政が震災情報をどのように提供するのか、今のところ具体策はありません。渋谷駅周辺では十八万人のほとんどが来街者であり、避難場所すらわからない人が多いと考えられます。駅前が手の施しようのない混乱に陥る可能性は否定できません。
日中、渋谷には地元の人が少なく、在住者が少ない地域だからこそ、区による対策だけではなく、特に地元企業や商店街との協力体制が必要になると考えます。例えば避難場所への誘導も、警察、消防など関係団体の人数だけでは絶対数が足りず、地元の道に詳しい企業、商店街の方が誘導の腕章もつけ、道案内に協力をしたり、企業が帰宅困難者に宿泊場所を提供したり、協力を求めるべきだと考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。
また、千代田区では、家族の安否がとれ、慌てて帰宅する必要がなくなった人々や、自宅に家族がいない独身者を復興ボランティアとしてお願いをするという考えで、四月に施行した災害対策基本条例に帰宅困難者の共助の条文を盛り込みました。
都心が被災した場合、自宅が都心から遠ければ遠いほど被害は少なくなります。在住者よりも在勤者、来街者が圧倒的に多い渋谷区でも、帰宅困難となった来街者とともに、負傷者の救護など活動を考えていくべきだと考えますが、区長の所見をお伺いいたします。
次に、住宅地の放置自動二輪対策についてです。
今、渋谷区では自転車、自動二輪の駐車場の整備に力を入れていただいておりますが、住宅地における自動二輪の違法駐車についてお伺いいたします。
自動二輪の駐車場を持たずに自動二輪を購入された方の違法駐車が住宅地で多く、ある場所ではガードレール内に自動二輪が何台も駐車され、歩行者が通れず、特に車いすや手押し車の高齢者、幼児連れの親子などが車道を歩かざるを得なく、大変に危険な思いをされています。自動二輪は自動車のように車庫証明も必要なく、駐車場もないのに購入される方がいらっしゃいますので、このような現状を招いていると思われます。自動二輪の駐車場の絶対数が少ないのが原因ですが、まず、区としてマンション建設の際の自転車、自動二輪の駐車スペースの増加を図れないか、御所見をお伺いいたします。
また、現在の違法駐車対策のために、住宅地においても自動二輪駐車場の整備が必要と考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。
次に、放課後クラブと学童クラブの運営についてお伺いいたします。
平成十六年度に学童クラブの保留児対策として始まった放課後クラブは、平成十七年度より教育委員会に移管され、全児童対策として拡大をされています。放課後クラブは現在、かなり利用者も多く、大変人気があると伺っております。近年、子どもたちを取り巻く事件が多く発生し、公園などで安心して遊ばせられない保護者は、放課後クラブに大きな期待を寄せています。
一方、昭和三十八年、保育に欠ける児童対策として福祉の立場から設置された学童館は、家庭の事情により家庭的な雰囲気を味わえない子どものため、おやつを提供し、家庭の雰囲気が味わえる施設としての役割を果たしてきました。当初は毎年定員を下回り、利用者は、昭和五十三年には四百三十五人の定員に対して一年の平均利用者は二百八十四人、平均利用率は六五%、昭和六十三年には定員四百四十五人に対して利用者は二百五十八人、利用率は五八%、平成十年、四百五十五人の定員に対して利用者は平均二百七十九人、六一%と平均利用者の六割前後であった学童館が、近年、子どもたちを取り巻く環境の悪化から、安心して遊べる場所を求めて学童クラブを希望する子どもたちが増えてきました。
放課後クラブが設置された平成十六年度には、五百九十五人の定員に対して保留児が百六人という状況にまでなり、その後、安全で安心な放課後の居場所を提供する放課後クラブが開設され、放課後の居場所を求める子どもたちは、学童クラブだけでなく放課後クラブを選べることにより、より多くの子どもたちが対象となることができました。
安全で安心な放課後の遊び場の提供だけならば放課後クラブで十分できるとのことから、学童クラブは放課後クラブに移行するという区長の発言の「移行」という言葉だけが先走り、家庭の事情により家庭的な雰囲気が味わえない保育に欠ける子どもを対象とした学童館がなくなるのではないかという声が数多く上がっております。本来、役割が違うと思われる放課後クラブと学童クラブの役割が明確にされないまま、本来は学童クラブでの福祉的要素まで放課後クラブに担わせる要望があるなど、混乱を招いています。
そこで、いま一度放課後クラブと学童クラブの役割を明確にした上で、学童館が担ってきた家庭の事情による子どもへの福祉的要素への対応を考え、放課後クラブの充実を考えていくべきと考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。
また、放課後クラブで行われている日曜日の対応については、本当に保育に欠ける子どもへの対応ということで始められましたが、現在開設されている七校の放課後クラブの本年四月における日曜日の利用状況を見ますと、一カ月の合計で二十から三十人、一日一校当たり平均利用者は一人前後というのが現状でございます。本当に子育てに御苦労されている方もいらっしゃいますので、現状の数字だけを見て見直せとは申し上げませんが、家庭の事情で日曜日に家庭にいられない子どもへの対応は、全校実施を目指している放課後クラブではなく、福祉的な立場から考えた別の施設で行うべきと考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。
最後に、高齢者福祉、障害者福祉についてお尋ねをいたします。
本年四月二十七日の東京都市区長会資料によると、七十五歳以上の後期高齢者を対象に、平成二十年度に独立した医療制度を創設するため広域連合を設立し、患者負担を一割とするとあります。これは医療費の増加に伴い、高齢者の医療費制度の持続のため三割負担としたことが、現実問題として高齢者の方々にはかなりの負担となるため、現役並みの所得を有する方以外は一割負担にするとのことでした。
高齢者には、三割負担はかなり重いと存じます。「増加する医療費を、医療現場と話し合いながら解決していかなくてはならない」と主張してきた我が会派としては、高齢者の一割負担は賛同するところですが、この制度を実施する以上、持続可能な制度とならなくてはなりません。国の制度であっても区の制度であっても、区民にとっては行政の制度として同じように受けとめられます。国の制度に区民が振り回されないように、東京都市区長会に参加される区長は、是非この制度が持続可能なように、増加する医療費の問題も含め検討されるよう強く要望いたします。
このような心配をするのも、国の制度の見込みや考え方の甘さから、障害者支援費制度、介護保険料、介護保険の軽度者の介護サービスなど、急激な考え方の変化に伴い区民の方に混乱を招いているからです。障害者の所得の保障や予防給付重視の考え方が間違いとは思いませんが、なぜ初めからその方針を打ち出さなかったのか。制度の考え方の変更が行われ、今まで受けられたサービスが受けられない方々は「取り上げられた」というような意識になります。これが国の制度であっても、区民の方々には、区役所が制度を取り上げたように思われます。
渋谷区は、低所得者の介護サービス負担を区独自に軽減したり、介護保険料も区独自に低所得者層の保険料引き下げなど行っています。今回の後期高齢者医療費制度も、持続可能な制度となるよう申し入れや医療現場との相談を行い、もし万が一患者負担が見直されるようなことがあっても渋谷区は独自に政策を考えるほどの決意で臨まれるか、区長にお伺いいたします。
また、介護保険、新予防給付の実施に伴い、区独自で実施しているヘルパー派遣事業の現状と、介護保険対応時代との違いなどないか、お尋ねをいたします。
最後に、障害者自立支援法についてお伺いいたします。
障害者の所得を確保することで、障害福祉サービスの利用者負担を伴っていけるとの目的の障害者自立支援法は、本年四月より障害福祉サービスの利用者一割負担が施行されています。しかし、景気が少し回復したとはいえ、障害者の方の就労ができているかは心配です。所得の確保は、年金制度の改革など国政レベルで解決していく課題と考えますが、障害福祉サービスの利用者負担を再検討し、区としての独自の支援策を拡充することが必要であると考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。
以上、大きく六項目にわたり、区長の御答弁をよろしくお願いいたします。