私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して質問をいたします。
質問に入ります前に、一言述べさせていただきます。
去る九月六日、秋篠宮家におかれては悠仁親王殿下御誕生に心より御祝意を申し上げますとともに、皇室の新たなお力となられますよう御祈念申し上げる次第でございます。
また、昨日、自由民主党総裁に就任された安倍新総裁は、本日、五十二歳の誕生日を迎えます。二十六日召集の臨時国会で首班指名を受ければ、田中角栄元首相就任時五十四歳の記録を抜いて、戦後最年少の首相が誕生いたします。そして、さらに申し上げれば、戦後生まれの世代が初めて首相の座に着くわけであります。
先日行われました日本記者クラブでの討論会において「私は、サンフランシスコ講和条約が結ばれた後、日本が独立を果たした後に生まれた世代だ。あのときに決まったことは変えられない、変えてはいけないという先入観のある時代は終わった。私たち自身の手で二十一世紀にふさわしい日本の未来の姿、理想を描いていこう」と熱く語りました。
話は下って二〇〇一年の就任演説で「傍観者や従属者でなく、奉仕の心に満ちた社会と品格ある国家を築く責任ある市民となってほしい」と語った当時五十四歳のブッシュ現大統領と相通ずる点は、戦後生まれの首脳ということと、国民に国づくりの参加を求めていることだと存じます。
是非、新総理に就任した暁には時代の変化に合わせた新たな国づくりの具体像と、それを実現するための戦略を提示していただき、私どももそのプロジェクトに地方議員の立場より参加することを表明し、質問に入ります。
初めに、今回提案されましたマンスリーマンション等建築等規制条例についてお尋ねいたします。
ただいまの区長発言におかれまして、制定に至る背景や理由をお述べになられました。区長は、これまでの「安全で安心して暮らせるまち渋谷」を目指し、区民や関係行政機関と連携し、様々な施策を積極的に、そして速やかに実施されました。今般「安全で安心して暮らせるまち渋谷」を基盤とし、さらにその上位目標とも言える「健康で美しい渋谷のまちづくり」を掲げられ、それを実現しようという区長の御決意を大変心強く感じたところであります。
現代社会では、特に都市化が高度に発達した本区においては、だんだんと住民の顔が見えなくなってきております。都市における匿名性が顕著となり、このままでは健全な地域コミュニティが崩壊するものと危惧しております。これまでは駅周辺の繁華街でその傾向が強かったわけでありますが、それが今日では住宅地にまで広がってきております。
その要因の大きな一つとして定住性の希薄な生活様式があり、それの受け皿となっているのがマンスリーマンション、ウィークリーマンション等であります。
従来であれば、短期滞在者は旅館、ホテル等を利用するのが普通でしたが、より低廉な価格で利用できるマンスリーマンション等へとシフトしているのが実態であります。これに加えて、他人との接触を好まない人が増加し、より匿名性の高い生活を志向していることがこれらの現象に拍車をかけているのではないかと考えます。さらに、区長が述べられたように、マンスリーマンション等は地域の健全な風紀を乱すおそれがあり、本年六月に本区で発生した誘拐事件において、ウィークリーマンションが被害者を監禁する場所に使用されたことは記憶に新しいところであります。
私は、本条例には住宅地に本来の機能を回復、維持させる効果があると期待しておりますし、さきの渋谷区ラブホテル建築規制条例と併せて、他の自治体には類を見ない、時代を先取りした画期的な条例であると評価するものであります。その手法は奇をてらったようなところは全く感じられず、是非正攻法で「健康で美しい渋谷のまちづくり」を実現していただきたいと願うものです。
そこで、区長に質問いたします。
区長が今回お示しになられ、実現しようとされる「健康で美しい渋谷のまちづくり」の理念について、御所見を伺います。
次に、今後の都区制度改革について本区の方針を伺います。
先月八月二十一日、特別区長会会長である高橋品川区長が御逝去されました。主要五課題をめぐっては、二十三区の先頭に立って都と交渉を重ね、本年二月、一定の決着にこぎつけられた御苦労に対し、心より敬意と哀悼の意を表するものであります。
しかしながら、一方でその経過をたどってみますと、平成十二年より進められておりました主要五課題に関する協議は難航をきわめ、一月の区長会では一たん協議が決裂した後、学校改築経費などに二百億円の交付金を十八年度のみ設けること、及び都区共同の検討機関を設けて都区のあり方を検討することを確認してようやく決着を見たもので、二十三区にとっては本意ではなく、都に押し切られる形となりました。区側に残ったものは、失望と不信感であります。
この不信感についてあえて言及いたしますと、大きく三点ございます。
一点目は、都が平成十二年の都区制度改革時の主張を変えたことであります。
すなわち、当時だれもが特別区の自主性、自立性の強化を望み、併せて都を広域自治体として純化することを望んだ結果、法改正まで至った改革でありました。これに基づき、都の役割は基本的に府県事務であり、区の事務については一体的処理が必要なものに限って分担することとし、都が担う区の事務に応じて区の財源を都と分ける、都区の役割分担と財源配分の原則を明確にした法改正であったにもかかわらず、都区制度改革の意義を忘れ、都区制度に関する法の規定を「一般原則」と言い切り、再び政令指定都市の事務を持ち出したのであります。法の施行者たる都として、法改正の趣旨や原則を遵守する立場にある者がそれを否定してしまったのであります。
二点目は、都が十二年改革の積み残し課題として協議し、整理するとした約束をほごにしたことであります。
改革時に財調の配分割合に反映し切れなかった要素をどう整理するかが課題であり、端的に言うならば、改革を配分割合で具現化するとどうなるかを決める協議だったものを、都側は「十二年改革以降、事務移管はないので配分割合の変更はない」と積み残した課題を今後のあり方の議論にすり変え、協議課題そのものを否定したのであります。
三点目は、地方自治法の改正により特別区を基礎的な地方公共団体と位置づけ、特別区の自主性・自立性の強化を図った十二年改革の意義を否定する論理に固執し続けたことであります。
都区財政調整の都と区の配分割合の議論は、区民から預かった税を都と区の役割分担に応じてどのように整理するかの議論であったものを、都は都が行う事務の需要と収入の細目を示さず、本来、他人の懐である特別区の需要と収入についてのみ言及し、配分割合の変更を否定したのです。都のこうした姿勢は、区を依然として内部団体としか考えていない証明であります。その結果、十二年改革の意義は否定され、あたかも金の取り合いの構図となるのであって、事実その論理を主張し、「区はお金が欲しいがために主張している」と区側の意向をねじ曲げ、否定したのであります。
以上のことを踏まえますと、現在、進められている都区のあり方に関する検討は両者の認識に隔たりが大きいばかりでなく、信頼関係の回復という重い荷物を背負いながら進めなければならないという極めて厳しい状況の中、区長会会長の訃報という事態となったわけで、早急に新たな体制を構築し、事に当たらなくてはならないと考えます。
そこで区長に伺いますが、都と渋谷区の将来像をどのように描いておられるのか、お聞かせください。
また、併せて都心区と周辺区、あるいは人口規模の違いなど、二十三区それぞれ置かれている立場が異なり、一律に論じること自体難しく、一枚岩で対応できるとは思えないのであります。この機会に都心区の一翼を担う区長として、また来年度、三位一体改革の影響で大幅な減収が予想されている中、是非リーダーシップを発揮していただき、難局打開のため奮闘していただきたいと切に願うものですが、区長会においてどのような主張をされ、今後対応していくか、御所見をお聞かせください。
次に、道路の維持管理について質問いたします。
道路は人間が生活を営む上で欠くことができない、あらゆる施設をネットワークする最も重要な社会資本であり、様々な活動を支える根本的な都市基盤でもあります。道路の持つ役割、機能としては、一点目として、人、物、情報を自由に往来させるための交通機能があります。二点目としては、地震や災害時などには避難路、延焼遮断帯などの空間として、また、通風や採光を助けるなどの良好な都市空間を創造し、電気、上下水道、ガスなど公益施設を収容する公共空間としての役割も果たしており、まさに普遍かつ基礎的な社会資本と考えます。
渋谷区内には、甲州街道に代表される国道が四・五キロメートル、また、山手通り、明治通りに代表される都道が約二十六・四キロメートルあり、社会・経済の大動脈としての機能を果たしているわけであります。これに対し、本区が管理する区道は総延長二百三十一・三キロメートルと膨大であり、国道、都道と交通を接続する補助線街路としての役割を持つものや、街区同士を結節する主要な生活道路としての役割を果たしており、これらがネットワーク化され相互に連携して、区民の生活を支えております。
さて、こうした中で、既存道路の維持補修や更新などの維持管理について考えてみますと、近年の社会・経済の著しい発展に伴い、交通量の増加、車両の大型化による道路損傷が進むなど、高度経済成長期に集中的に整備された道路の老朽化が進んでいることが多くの自治体の課題となっているところであります。本区においても、総延長二百三十一キロメートルに及ぶ区道のうち、今後、更新需要のピークを迎えるため、膨大な経費を必要としております。
こうした背景のもと、道路施設の計画的、効率的な管理を目的として、維持・更新費用を平準化するための「道路アセットマネジメント」という手法が注目されております。これは道路施設の現在の状態を客観的に把握、評価するため道路を調査、点検することから始め、これらのデータ等を蓄積、整理しデータベース化したものから、舗装の劣化など将来の状態を科学的に予測することを基本としています。その上で、最適な時期に最適な方法で補修する計画をつくり、実行することで道路の延命化を図り、道路施設管理総費用の縮減や平準化を実現するものであり、今後の維持管理計画づくりに極めて有用であると考えます。
そこで、区長に伺います。
今後、道路管理に係る費用の増加が見込まれる中で、区道の維持管理をどのように行っていくおつもりか、道路アセットマネジメントの導入も含め、御所見を伺います。
次に、道路アセットマネジメントの基礎となる調査、点検には、道路表面のひび割れ、わだち掘れ、平坦性の調査や地中の空洞調査などがあります。特に道路下の空洞調査については、道路陥没に至る前に地中の空洞を発見できることから、予防・保全技術として日常の道路管理においても有効であると考えます。
先日発生した広島県下における老朽化した水道の送水トンネルの崩落事故の例を見るまでもなく、都市基盤の事故は、そのもたらす社会的損失は極めて大きく、仮に区道において道路陥没事故が発生した場合、区民生活に甚大な影響を与えることとなり、復旧にも莫大な経費を要することとなります。こうしたことから、周辺区においても道路下の空洞調査を実施し、年間数十カ所の空洞を発見し、陥没事故を未然に防ぐことにより費用対効果を上げていると聞いています。
区民生活において必要不可欠であり、さらには災害時の生命線ともなる道路を常に良好な状態で維持管理し、安全で円滑な道路交通を確保するためには、道路下の空洞調査による道路陥没事故等の予防が有効であると考えますが、区長の御見解をお尋ねいたします。
次に、商店街振興策につきまして伺います。
近年、商店街が置かれている環境については、大変厳しい環境下にあると存じます。私が所属する商店街でも空き店舗が目立ち始め、そこを埋める新規の出店がなかなか決まらない状況となっています。さらに言うならば、商店街の賑わいに欠かすことのできない、生鮮三品と呼ばれる精肉店、鮮魚店、青果店の減少がこれに追い打ちをかけている状況であります。
本来、商店街が担うべき役割として、まちの賑わいや高齢者等地域ニーズへの細やかな対応、さらに防犯対策等地域コミュニティの創設に重要な役割を担っているものと考えます。
このことを踏まえ、区長は中小企業事業資金の融資あっせん制度の拡充や、創業支援、後継者育成の推進、そして本年度、新たな試みとして、東京都食肉事業協同組合渋谷支部が行う事業について経費の一部補助という施策を打ち出しました。
先月、テレビ報道でこのことがニュースで取り上げられ、報道されました。このインタビューの中で、区長は「ここ数十年で区内食肉店の数が三分の一以下に減っている。何とかお肉屋さんも存続をかけて頑張っているのだから、安くて新鮮で安心なお肉を地元の商店街の中で買ってほしい。そのために区として何かお手伝いできないかということで今回の支援に至った」と、その経緯を熱く語っておられました。
この事業はマスコミも注目し、放映後、名古屋市、潮来市、栃木県さくら市等の自治体を初め国会議員、地方議員の問い合わせが相次ぎ、その反響を見ても効果的かつ好感の持てる支援策である証左として評価するものであります。
この事業をきっかけとして、地元の食肉店に区民の皆様を呼び込み、地元商店街の賑わいにもつながっていけばと考えるものです。
そこで、区長にお尋ねします。
今年度は食肉事業協同組合渋谷支部に対する支援でありました。この支部のように、組織がしっかりとして危機感を持ち、意欲的な組織はほかにもあると存じますし、また、この報道により触発されるのではないかと考えます。今後、受け身ではなく積極的にアプローチする他業種に対し同様の支援をされるおつもりか、お尋ねいたします。
また、今回の事業は、それまで商店街というトータルベースの支援だったものを、初めてピンポイントの個店に踏み込んだ画期的な事業とも考えますが、この事業をきっかけとして、今後の商店街のさらなる活性化に対する御所見をお聞かせください。
次に、荷さばき駐車対策について伺います。
六月に改正道路交通法が施行され、駐車違反の取り締まりが強化されたことにより、郵便を除いた宅配業者や一般商店の荷さばきが規制を受けて、商店街の円滑な運営に支障を来しているとの声を商店街関係者よりお聞きいたします。
また、過日の新聞報道で、国土交通省でも路上駐車をせずに荷さばきができるスペースが十分確保されていないと判断し、専用施設の整備支援対策を本格化するとの報道もございました。この内容は、道路外にある民間駐車場などを活用した路外荷さばき施設、物流事業者や商店街などが連携して貨物車専用駐車場設置の経費を補助することを柱としております。
本区において、日本でも有数な繁華街であります渋谷駅周辺の公園通り及び井の頭通りにいち早く荷さばきスペースを設置し、渋滞の解消と円滑な物流に対応されていることは承知しておりますが、一方で、荷さばき以外の車が違法駐車をするなど、十分に活用されているとは言えません。こうした状況を是正することは、本区だけの努力では解決いたしません。是非今後、前述した国土交通省の動きと合わせ、関係機関と調整するようお願いするものです。
さらに、道路法施行令を改正して、区道上の駐輪施設の扱いを占用でできる動きがあるとも仄聞しております。もし将来、道路占用での扱いが可能となれば、一歩踏み込んで荷さばきスペースの確保に活用できるのではないでしょうか。
商店街を支援する立場より、搬入業者車両の駐車対策に対するお考えをお聞かせください。
クリエーションスクエアしぶやの今後の利活用について伺います。
渋谷マークシティウエスト四階にありますこの施設は、平成十六年開設し、渋谷の観光スポットの紹介、本区にちなんだ商品の展示販売及び商店街の紹介など、本区の商業、観光の案内及び物産展示場として活用され、同年十一月よりは区民、区内中小業者、さらには区内在学生を対象に展示販売ブースを廉価で貸し出すなど、本区の魅力を発信する施設として充実した内容と考えておりますが、それを一歩進めて、本区の魅力とともに、渋谷区と交流のある自治体の物産を展示販売するコーナーを新たに設置されてはいかがでしょうか。
本区と交流のある自治体にとってみれば、お国自慢の物産を渋谷の一等地で展示販売できるわけですし、区民、来街者にしても、渋谷にいながらそれらを購入できることは魅力的なことと考えます。さらに言えば、こうした物産を区内各商店街に紹介する窓口としての機能も有することができれば、商店街のイベント等で販売促進や、商店街の活性化並びに民間同士の交流と、その効果ははかり知れないと考えますが、区長の御所見を伺います。
次に、震災対策について二点伺います。
一点目は、防災行政無線の活用と充実についてであります。
今後三十年のうちに首都直下地震の発生する確率が七〇%と言われ、震災対策のより一層の充実が急がれる昨今、本区において昨年度実施した震災対策基礎調査によりますと、都心西部直下地震、マグニチュード六・九の地震が発生した場合は震度六強で揺れる地域もあり、冬の十八時、風速十五メートルでの被害は、火災を含めた建物全壊棟数が九千四十一棟、死者百人、負傷者千六百二十人、避難所生活者三万八千六百六十四人と想定されております。
このように区内での甚大な被害が予想される中、実際に災害が発生したとき、まず区として行うべきこととして、被害状況等の情報を迅速かつ的確に収集し、区民等へ伝達し、関係機関と情報を一元化し、共有することが重要と考えるものであります。
この有力な手段として防災行政無線の活用が挙げられますが、移動系無線については現在八十七局で、これ以上の拡張は限界となっておりますが、区内全施設に配備されていない状況であります。この中には、保育園の一部や学童館の一部といったような子どもにかかわる施設も含まれています。
そこでデジタル化への対応となるのですが、以前、我が会派の質問で、不聴取エリアの発生やシステム導入に膨大な経費がかかる点などで、導入にはまだ時間を要することは承知しております。しかし、発災の切迫性を考えたときに、バイクや自転車を使用する人海戦術では心もとないと感じるのは私だけではないと考えます。
そこで、デジタル化導入の調査検討と併せて、優先携帯電話やMCA無線システムの導入等、現在のシステムを補完する方策として整備すべきと考えますが、区長の御所見を伺います。
また、現在整備されております固定系無線九十局についても、放送する際、棒読みで心に響いてこない上、ビル建設等町並みが変貌することにより日々不聴取エリアが変移し、把握するのは困難と伺っております。
こうした中、区長は最近、オレオレ詐欺被害の防止を呼びかける放送や、先月三十一日に発生した地震情報を放送されました。こうした取り組みは聴取状態を把握し、是正する上でも、また、日ごろから区民の皆様が行政無線に関心を向けていただくためにも有効であると評価するものです。今後、不聴取エリア是正に対する取り組みや活用についても御見解をお尋ねいたします。
二点目は、災害時の要援護者対策についてであります。
発災時に援助を必要とする高齢者や障害者のリストづくりが進んでいないとする新聞報道がございました。国では、リスト作成は個人情報保護法で認められる目的外利用としておりますが、整備が遅れている自治体からは、個人情報との両立に悩む声が聞かれている一方で、一昨年の新潟豪雨では、避難勧告の情報が十分伝わらず、寝たきりの高齢者が自宅で水死するという痛ましい事例が発生しております。
こうした中、本区では、リストの登録希望者を募る手挙げ方式を採用しておりますが、果たしてこの方式で、援助を必要とする方すべてを網羅しているのでしょうか。まことに疑問であります。また、せっかく作成したリストであっても、自主防災組織だけ限定された活用では、関係機関との情報の一元化と共有ができず、迅速に所期の目的を達成できるとも思えません。
そこで区長に伺いますが、今後の要援護者対策についてのお考えをお聞かせください。
また、リスト作成においてはどうしても、地域福祉を担っている民生委員さん等の協力が必要と考えますが、リストの整備に関して、その御所見を伺います。
次に、福祉について伺います。
初めに、介護保険についてであります。
周知のとおり、介護保険法施行五年目による見直しに伴い、介護保険法等が改正され、昨年十月、そして本年四月と二段階にわたって実施されました。今回の改正は、高齢者の自立支援と尊厳の保持を基本としつつ「明るく活力ある超高齢社会の構築」や「制度の持続可能性」等の基本的視点に基づいて、介護予防重視、地域包括ケアといった方向性が示されました。十月改正内容の中で、いわゆるホテルコストに関する利用者負担に対しては、区独自の低所得者対策をいち早く打ち出されたことを評価するものであります。
そこで、この四月から実施されました改正内容に関し、半年が経過していることから、改めてその現状と課題について三点お尋ねいたします。
一点目は、要介護認定区分の変更と新予防給付についてであります。
今回の法改正により、要介護の認定区分は、従来の要介護一が要介護一と要支援二に区分され、七段階となり、これに伴い、要支援二と判定された場合は利用できる介護保険サービス量が減少することとなりましたが、この点について苦情等把握されておられるのか、また、制度変更にはスムーズに対応できたのか、お聞かせください。
また、軽度の方については、従来使用できた介護ベッド、車いすが経過期間が終了し、この十月から原則として利用できなくなるわけでありますが、これに対する苦情等、実態はどうなのでしょうか。本区の対応策も含め、お伺いいたします。
二点目は、地域支援事業についてでありますが、今回の法改正により虚弱高齢者、すなわち特定高齢者に対しては、区が新たに地域支援事業を実施することとされました。そのため、区民誕生月健診に合わせてチェックリストを配付し、対象者の抽出、選定を行うなどの取り組みは承知しておりますが、当初想定したほどの該当者はいないと聞いております。
そこで、このことを踏まえ、今後の事業展開について御所見をお聞かせください。
三点目は、地域包括支援センターについてであります。
地域包括支援センターは、従来の在宅介護支援センターにかわる新たな地域の福祉総合窓口として設置されました。本区においては、従来の在宅介護支援センター六カ所を移行させるとともに、今年度、新たに大向地区に設置し七カ所体制とし、さらに平成二十年度には、本町地区を加えた八カ所体制に整備することとなっております。
そこでお伺いいたしますが、地域包括支援センター移行は順調に進んだのでしょうか。特に、新七カ所体制によって従来の地区割が変更された地域で混乱等なかったのか、お聞きいたします。
また、地域包括支援センターは、従来の在宅介護支援センターと比べ職員体制の強化、介護予防ケアマネジメントや権利擁護事業等、その機能も大幅に拡充されております。今後、これらの機能をどのように有効活用して福祉サービスの向上に資する考えなのか、お尋ねいたします。
次に、障害者の自立支援に関して質問いたします。
障害者自立支援法は、本年四月、十月と段階的に施行されることとされ、まず四月より原則一割の定率負担が導入されました。この導入に伴い、区長は本区独自の措置として、ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービスにおける区民税非課税世帯の負担率を三%とする軽減措置を実施されたことを評価するものであります。
さらにつけ加えて、制度移行に関して円滑に、混乱なく行われましたことは、利用者全員に詳細なパンフレットを配布し、合計四回にわたる説明会を実施するなどの努力と丁寧な対応の結果と受けとめております。
この十月には障害者自立支援法が本格実施され、障害者福祉制度は再び大きな変化を迎えることとなりますので、利用者の皆様が不利益をこうむったり不安を抱いたりしないよう、今回も、制度の周知には万全を期するよう要望させていただきます。
さて、十月の本格実施に伴い、ホームヘルプサービスの支給量決定に関して障害程度区分が導入されるということであります。利用者の中には、障害程度区分が実際よりも低く認定され、これまで使ってきた量のサービスが受けられないのではないかという不安に対して、今回、区長は、国基準を上回る区独自の支給基準を設けることを表明されました。利用者に配慮した英断として大いに歓迎するものであります。
このほか、十月から大きく変わる事項として、義手、義足を初めとする補装具制度に利用者の一割負担が導入されるほか、相談支援事業、コミュニケーション支援事業、移動支援事業、日常生活用具給付事業、地域活動支援センター機能強化事業の五つを柱とする地域生活支援事業が開始されることであります。本事業については、法律上、区が実施主体とされ、その事業内容の決定については区の裁量によることが規定されております。この点について、区長は「引き続き安心して利用していただける制度とする」「利用者負担が過大とならないようにする」と表明されました。
そこで、お伺いいたします。
区長は、これら補装具や地域生活支援事業の利用者負担について具体的にどのように設定し、実施されるのかお尋ねいたします。
一方、障害者施設に目を転じますと、区内の知的障害者の民営作業所は、障害者自立支援法に基づく国・都の公費負担が受けられない法外の作業所であることから、本区独自の助成制度により支えてきたところであります。
これらの作業所の中には、障害者自立支援法に基づく国・都の公費負担が受けられる作業所、いわゆる法内作業所を望むところも多いと聞いております。しかしながら、法内作業所となることは、障害者自立支援法の利用者一割負担の適用を受けることとなり、通所されている方々に負担を求めることとなります。その場合、工賃の少ない方にとっては、工賃を上回る利用料を負担しなければならない逆転現象が起こる事態が想定されます。そのために、これらの民営作業所は、今後どのような方向に進むべきか頭を抱え込んでいると仄聞しております。
そこで、区内の法外民営作業所をどう支援していくお考えなのか、区内の知的障害者の民営作業所において、今後の支援のあり方について区長の御所見をお聞かせください。
放課後クラブの移行に関して区長に伺います。
先月の新聞報道で、文部科学省と厚生労働省は、来年度からすべての公立小学校で放課後も児童を預かることを決めたとの報道がございました。スタッフは、来年度以降、大量退職が予想される教員及び教職を目指す大学生や地域住民で、勉強やスポーツのプログラムを用意して児童が放課後を学校で過ごす環境を整えるほか、共働き世帯の子ども向けにはさらに時間を延長し、子どもが安心して遊べる居場所づくりや、子育ての負担軽減による少子化対策に資することを目的だとされております。
この事業は、まさに本区が推進しております、すべての児童を対象に安全で豊かな放課後を子どもたちに提供する目的の放課後クラブ事業にほかならず、まるで本区の施策を横引きしているのではないかと思えるほど、区長の先見性と先進した取り組みに瞠目するものであります。
本年四月からは、所管部である教育委員会と子ども家庭部が合同して開放運営委員会やPTA、学童クラブの保護者会等々、多くの会に精力的に出席し、放課後クラブの趣旨を説明し、この十月からの開設と来年四月からの開設を進めていることは承知しておりますが、この席上、どんな問題点が上がっているのでしょうか。
仄聞するところでは「保育を必要とする子どもと、いつでも家庭に帰ることのできる子どもを同一視することはできない」とか「学童保育の事業は、子どもに対して第二の家庭である」と主張する方がいると聞いておりますが、そもそも区の施設において家庭の役割を補っても、「第二の家庭」と称されるような家庭にかわれる施設があるのでしょうか。また下校時、ランドセルを背負ったときに、家庭に帰る子がいる一方で家庭に帰れず学童館に足を向けなければならない切なさを斟酌したことがあるのでしょうか。
私は、待機児解消とともに子どもの心の負担をも軽減する、このすぐれた施策に転換することに異を唱えることが理解できないのであります。
区長は八月十五日号の区ニュースにおいて、放課後クラブに切りかえることの大切さを明快に述べておられますが、説明会で出された不安視する事例を整理し、今後、展開しようとするシステムはそれら不安のないすぐれた施策であることを、いま一度お聞かせください。
また、今後の学童館の利活用については、我が会派の質問で、少子化対策、子育て支援を見据えながらも行政ニーズを見極め、的確に判断するため検討したいと答えておられることは承知しておりますが、今年度で閉館が予定されている四館においては現在どの程度検討が進んだのでしょうか、進捗状況をお尋ねいたします。
次に、文化財の保護について教育長にお尋ねいたします。
今定例会に提案されております一般会計補正予算案に、社団法人温故学会の運営を強化するための貸付金が九千七百万円余計上されております。
社団法人温故学会は明治四十二年に創立され、現在地に移ったのが昭和二年ですので、既に八十年の長きにわたり東二丁目の地で文化財を守ってきたわけであります。所蔵する文化財は、国の重要文化財の「群書類従」の版木のほか、「徒然草」「土佐日記」の版木など多数の指定文化財があります。また、建物自体が国の登録文化財であり、この建物に収蔵されていることが、より一層の価値を生み出していると考えます。まさに「群書類従」版木の保存、展示に最もふさわしい場所は、現在の温故学会と考えるものであります。
また、本区には、平成十六年に国の重要文化財に指定された建造物である旧朝倉家住宅が猿楽町にあります。本区が管理団体となり、現在は文化庁により修復作業がなされていると聞いていますが、この建物も本区にとっては貴重な文化財と考えますし、これに加えて聖心女子大学の構内には、国の登録文化財である旧久邇宮御常御殿、現在は聖心女子大パレスと呼ばれている建造物もあります。本区の広尾小学校校舎も国の登録文化財と承知しております。
一方、教育委員会でも、平成十五年度には区内の社寺を中心に文化財の調査をされ、平成十七年三月には有形文化財六件、翌十八年三月には無形民俗文化財二件を指定されております。このように、本区には、貴重な文化財としての資源を数多く有しているのではないでしょうか。
また、桑原区長はかねてより日本の伝統文化を重んじ、子どもたちに礼節を学ばせることに意を用い、茶道、華道等の紹介にも尽力されてきました。また、伝統芸能の振興、普及の場として、旧大和田小学校跡地複合施設に小ホールの設置の方針を明確に示されました。
このように、文化財、伝統文化、伝統芸能など、日本のよき伝統を子どもたちに伝え、残していくことは、私たち大人に課せられた責務と考えるものであります。
今や機は熟したのではないでしょうか。温故学会、旧朝倉家住宅を中心に区内の貴重な文化財を体系的に保存管理するとともに、これら貴重な文化遺産を多くの区民に紹介し、一層の郷土愛を涵養することが重要と存じます。
そこで、教育長にお尋ねいたします。
今後、温故学会が所蔵している貴重な文化財をどのように活用されるのでしょうか。また、旧朝倉家住宅の活用方針を含め、区内に点在する文化財を体系的に保管・管理し、区民が親しく接することができるようなネットワーク構築をどのように進めていかれるのか、お伺いいたします。
最後に、学校選択希望制の今後のあり方について、教育委員長に伺います。
本区では、小中学校に入学する児童生徒を対象に、通学区域以外の学校も選択することのできる学校選択希望制を平成十六年度から実施され、三年が経過いたしました。この学校選択希望制は、小学校においては通学区域の弾力的な運用を行うとともに、各校においては、確かな学力の向上を図りつつ学校関係者の意識改革を促し、保護者の皆さんから選択される学校づくりを目指していこうとするものと理解しております。一方で、保護者の皆様にとっては、選択を通じて学校への親近感を強め、かかわりを強くしていただきたいという思いもあるものと承知しております。さらには、私立の学校に対抗できるような魅力を生み出す機会であろうとも考え、私どもの会派としても本制度に賛成し、推進に努めてきたところであります。
ところが、近年、連れ去りや殺人といった子どもたちを取り巻く安全面での問題が拡大し、通学区域の広がりは大きな不安要素でもあります。そのため、本区では小学校全校に制服警備員を配置したのを初め、メールシステムの構築、PTAや地域が協力した安全パトロールを実施し、また、学校においては子どもたちが地域安全マップをつくる活動を行ったり、セーフティスクール事業の開催など、いち早く即応されている御努力に敬意を表するものであります。
しかしながら、学校選択制で居住地以外からの子どもが増えることにより、前述した安全面を不安視するほかに、お祭り等、地域の様々な行事に参加する児童が少なくなっているとの指摘も聞こえてきます。さらには、来年度より全小学校に安全で豊かな放課後を提供するための放課後クラブが開設されますと、在籍児童を対象としておりますので、遠距離通学の児童の対応も考慮しなければいけないと考えます。
したがいまして、状況変化を踏まえ、三年目の現システムをリセットするのではなく、十分に社会情勢を分析し、学区域自由化の動向をとらえ、その成果を検証し、あり方を検討していくべきであろうかと考えますが、教育委員長の御所見を伺います。
それぞれ御答弁をお願い申し上げます。
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