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平成18年第4回定例議会における代表質問
質問者 齋藤 一夫

私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表いたしまして、桑原区長、松井総務部長、日置土木部長、椿教育委員会委員長に質問いたします。
まず、質問の冒頭に来年の区長選についてお尋ねをいたします。
桑原区長は、平成七年六月、助役に就任以来、二期八年の間、小倉区政の屋台骨を支えてこられました。当時の本区の財政は、バブル経済の影響で財政規模が急激に膨らみ、バブルがはじけた後も財政規模を縮小することができず、平成六年度以降、経常収支比率が九〇%を超える危機的な状況にありました。現在の健全な財政状況からは隔世の感があります。
この財政再建の最大の功労者が当時助役だった桑原区長であります。平成八年十二月に渋谷区行政改革要綱を策定し、懸命に歳出の削減に努めてこられました。効果が出るまでは基金を取り崩し、平成六年には二百三十四億円余あった都市整備基金が、平成九年には百十一億円余にまで激減しましたが、二次にわたる行財政改革により、区民サービスの低下を招くことなく、経常支出の削減、人件費の削減、組織のスリム化、効率的な事業執行体制の確立などを実現されたことは、大いに評価するものでございます。
ちなみに現在の基金残高は、財政調整基金と都市整備基金を合わせて四百四十四億円余まで増加していることは御案内のとおりであります。
その後、平成十五年四月、小倉区政の後継者として激戦の区長選を勝ち抜き、第二十二代の渋谷区長に就任されました。当初は、行政マンとしての経験に裏打ちされた堅実で着実な区政運営に努められましたが、直ちに独自色を打ち出し、国や都に物申す首長として、気骨ある力を発揮されるとともに、きめ細かく区民と接することから、区民ニーズを酌み取る現場主義を実践され、さらには寸暇を惜しんでの幅広い情報収集により、従来の官僚主義からは想像だにできない斬新で柔軟な施策を矢継ぎ早に実行されてこられました。アイデアマン桑原区長の面目躍如であり、強力なリーダーシップのたまものであります。
今期の在任中の功績は、具体例を挙げれば枚挙にいとまがございませんが、一つの事例として先日発表されました日本経済新聞社の調査結果を紹介いたします。
本年十月三十日に公表されたこの調査は、日本経済新聞社と日経産業研究所が全国の七百七十九の市と東京二十三区における公共料金や福祉、教育など、住民向け政策を比べる行政サービス調査であります。回答のあった七百六十四区市のうち、渋谷区は総合評価で四位に位置づけられました。二年前の調査では四十四位でしたので、大幅に順位を上げたことになります。特に、子育て環境では第一位、教育では第四位にランクされております。これは、桑原区政が教育、福祉、まちづくり等、あらゆる分野に目配りをし、重点的な公費の投入を行いながらも、バランスのとれた施策の展開がなされた結果であると考えます。
さて、いよいよ来年は統一地方選挙がとり行われます。桑原区政の目標である「健康で美しい渋谷のまちづくり」は、一期目で種がまかれ、芽が出、すくすくと育ち始めたところでございます。来期は、花を咲かせ、実をつける時期であります。三位一体改革で本区の財政にとっては冬の時代がまいります。この冬の時代をしのぎ、立派な実をつけることができるのは、本区の財政再建をなし得た桑原区長をおいてほかにはありません。是非来期も出馬され、渋谷区政のかじ取りをしていただきたいと、我が会派を挙げて願っているところであります。
以上、私どもの意のあるところを申し上げましたが、多くの区民も、また区長の決断を待ち望んでいると確信するものであります。是非区長の御決意を今ここで高らかに御披瀝いただきたいと存じますが、率直なお考えをお聞かせください。
次に、子ども医療費助成のさらなる拡大につきまして、同じく区長に質問をいたします。
区長は、就任以来、子育て支援環境の整備を区の最重要課題の一つに掲げ、平成十六年度には乳幼児から児童、青少年に至る子どもと家庭のあらゆる相談機能とともに、深刻化する児童虐待の早期発見、早期対応を図るため、子ども家庭支援センターを開設し、同時に家庭で子育てする保護者を支援するための子育て支援センターを区内五カ所目として、中幡小学校内に開設されました。また、待機児解消策の一環として、区内初の認証保育所を初台に誘致開設いたしました。
平成十七年度には、我が会派の要望により、中間所得層の保育料の負担軽減を図るため、保育料を五〇%または三〇%減額するとともに、二カ所目の認証保育所を恵比寿に開設されました。今年度には、新たな手法として、指定管理者制度を活用した二十四番目となる区立美竹の丘保育園を開設し、休日保育と病後児保育を開始する一方で、認証保育所のさらなる増設に努められました。
また、従来の乳幼児医療費助成制度を子ども医療費助成と改め、中学三年生までの入院費について、所得制限なしで助成拡大に踏み切られました。
以上、述べてまいりましたとおり、厳しい財政状況の中で区長は子育て環境の整備に全力を傾注され、短期間にその成果を挙げられたわけであります。その結果が本区の子育て環境が最も整っていると、全国第一位の評価を得た証左と確信をしております。我が会派としては、子育て支援対策の推進と充実に努めてこられた区長の姿勢を大いに評価するものであります。
こうした評価の上に立ち、今回子ども医療費助成のさらなる拡大を区長に提案したいと存じます。子ども医療費助成のさらなる拡大については、子育て中の保護者から、また地域医療を預かる関係団体から、我が会派に対しても最近多くの要望が上がってきております。この間、子育て支援の充実につきましては、我が会派としても力を注ぎ、どのような施策が効果的なのか研究してまいりました。
こうした中、今回、東京都が小中学生の医療費助成を所得制限つきではありますが、来年十月から現行の三割分の負担のうち、その一割分を都と区で二分の一ずつ負担するという考え方を示しました。区長は、今年第三回定例会における答弁において、財政負担の問題や国や東京都の動向、さらには他区の状況を見据えながら、これからの課題にしていきたいと言われました。
我が会派としては先行して実施している他区の状況から判断すると、小中学生の医療費助成について、所得制限なしで三割負担部分を全額助成したとしても想定経費は約二億円程度であり、来年度以降、三位一体改革等によって、当区の財政状況が一層厳しくはなりますが、先ほど述べた東京都の動向、当区の十七年度の決算状況から、子ども医療費助成を通院費まで所得制限なしで中学生三年生まで拡大することは可能ではないかと考えるわけであります。今決断する状況は整ったのではないでしょうか。さらなる子育て支援策の拡充として、来年度、子ども医療費を入院費のみでなく通院費についても所得制限なしで中学三年生まで助成することを区長に是非決断をしていただきたいと思いますが、いかがですか。区長の御所見を伺います。
次に、介護保険についてであります。
この四月の介護保険制度の改正に伴う現状と課題については、去る第三回定例会において、我が会派の代表質問に対し、桑原区長から区と地域包括支援センターの連携のもとに、他の自治体で見られるような大きな混乱もなく、おおむね順調に運営されているとの御答弁をいただき、我が会派としては非常に心強く安心しているところであります。
超高齢社会の到来を前に、高齢者の自立支援と尊厳の保持を基本として介護予防を重視するという今回の制度改正の方向に対しては、我が会派はこれを大いに評価するものであります。同時に、すべてにおいて最初から完璧であることを期することはなかなか望めないことでもあります。
したがいまして、どのような制度であっても実際の運用の中で不都合を生じたときには、それを的確に分析・評価し、よりよい制度となる迅速に対応していくことが肝要であると存じます。
桑原区長が第三回定例会の発言において、国が示す保健事業や介護保険の予防給付、地域支援事業の枠にとらわれず、生涯学習やスポーツとも連携し、活力ある高齢社会の発展を支援していくと述べられたのも、まさにこういった制度的な不備に、区民に身近な基礎的自治体として区が積極的に対応していくということを示されたものだと思います。
そこで、将来を展望しつつ、今後、区として具体的にどのように取り組んでいかれるのか、改めて区長にお伺いをいたします。
まず、この間の動きとして東京都が臨時施策として軽度者への特殊寝台、いわゆる電動ベッドの購入費助成制度を設けるとの方針を打ち出しました。これは旧制度で、電動ベッドを利用していた要介護一以下の人がそれを買い取るときは、その二分の一を区市町村の協力のもとに助成するというものでありますが、区としてはこれをどう評価され、どう対応されるのでしょうか。
次に、区長は、今回軽度者に対する新たな区独自の施策として、介護予防デイサービス支援事業を実施すると表明されましたが、どのような考えに基づき、どのような事業を実施されようとしているのでしょうか。
さらに、軽度者については、デイサービスだけでなく、ホームヘルプサービスにかかわる課題もあるかと存じますが、その点についてはどのように考えられているのでしょうか。以上、三点について区長のお考えをお伺いいたします。
次に、庁舎や区の公共施設の危機管理体制について、総務部長にお尋ねいたします。
十月二十三日、月曜日、私は諸会議を終え帰宅しようと一階の受付前を通り過ぎようとしたところ、係の女性に大きな声で話をしている男がいました。年のころは五十歳くらい、大きな男で、中にいた若い女性が困惑した顔で対応しておりました。私は時々ホームレス風の男がからかうように話をしているのを目撃しておりましたので、いつものことかと自動ドアのところまで来たとき、突然びっくりするほどの大きな声でどなり始め、持っていた缶ビールを思いっきりカウンターにたたきつけたのです。ビールは女性の顔や衣服にかかり、カウンターはビールの泡、一瞬、私は後ろから羽交い締めをしようと近づいて行ったとき、顔なじみの課長さんが通りかかりました。「すぐ警備員を呼べ」と叫びました。課長は、受付の女性に声をかけ、一緒にいた係長が電話をして間もなく警備員が駆けつけました。しかし、気がついたときにはその男が現場から逃げ去っていました。普通の状態だったら、よかったじゃない、その程度でと済んでしまうことかもしれません。しかし、現在の社会状況を見ていただきたい。いきなり路上で人を刺し殺す通り魔事件、むしゃくしゃしたからと児童の列に車を突っ込む運転手や放火事件、大分前からこの種の凶悪事件はありましたが、最近は本当に怖い、街の中を安心して歩けない、そんな思いのする事件が頻発しております。むしゃくしゃしたからやった、報道されたいから何かやってやろうで事件に巻き込まれたのではたまったものではありません。本庁舎や出張所、この公共施設は不特定多数の人が絶えず出入りしています。何かあったときに備え、訓練を日ごろやっているか甚だ疑問です。
なぜそう考えるのか、そのときいた課長さんに、私は危機管理として重要なことだから早急に対策を講じる必要がある。一部始終を庁舎管理の所管課長に伝え、対応策を改善をしなければ問題として取り上げると言いました。その課長さんは、今後どのような対応策をとるのか、所管課長から御報告させますと答えました。しかし、所管課長からは効果的と思われる対応策が示されませんでした。
その後の調査で、庁舎管理の受託業者が対応することが前提との認識だったようであります。受付カウンターには非常ベルがあっても、きちんとロールプレイングがなされていない。驚いたことに、そんな程度で一々ベル押すなとも言われたことがあると聞きました。警備の組織も庁舎内を巡回するのは総務課に所属する職員、受付業務や駐車場の誘導や警備は管財担当が委託しているビルドメンテナンス株式会社、その両社が総合的に防犯訓練をしたことは一度もないと聞いて、私は唖然といたしました。
そこで、私は総務部長に強く提案したいのは、ビルメンと区の巡視員と合同で月に一回は情報交換や訓練を行うこと、緊急時には即対応できる防犯カメラの設置、また非常ベルも地下二階にある警備室だけでなく、一階、二階の受付に隣接する区職員のいるところにも連動させること、巡視員、警備員には防犯スプレーを携行させること。まだまだありますが、一つの提案として申し上げました。どうお考えか、総務部長の確たる答弁を期待いたします。
次に、ヒートアイランド現象について質問をいたします。
近年の東京における夏の気温は、相変わらず高温の傾向にあり、ヒートアイランド現象が進んでいる中、この対策が大きな課題となっております。私はこの対策として、道路舗装の分野においても雨水などを一時的に舗装材の中に蓄え、保水した水が晴天時に気化することで路面温度の低減が図られる保水性舗装を積極的に進めるべきではないかと、平成十六年の第三回定例会において、時の三浦土木部長に提言したところ、部長からは、技術開発の動向を踏まえつつ、試験施工を実施するなど前向きに取り組んでいくとの答弁がありました。
その後の推移を見守っておりましたが、所管部においてはいち早く平成十七年度に美竹の丘・しぶやの開設に合わせ、周辺の歩道整備の折、保水性舗装の試験施工を行ったと聞きました。また、今年度は原宿穏田地区のスーパーモデル事業の中で、この保水性舗装を実施すると聞き及んでおります。ヒートアイランド現象の原因の一つには、都市化が進み、地表面がコンクリートやアスファルトで覆われているためとも言われております。また、気温上昇は、地球温暖化の影響で過去には見られなかった局所での激しい集中豪雨の発生要因とも考えられ、今後の新たな都市型災害の増加を危惧するところであります。
最近の情報では、さらに技術開発が進み、アスファルト舗装表面に遮熱性特殊塗料を塗布し、太陽光を反射することにより、道路面の温度の蓄熱量を低減する遮熱性舗装も新たに開発され、製品化されると聞いております。
そこで、土木部長に質問をいたします。
こうした保水性舗装のこれまでの取り組みの経過とその効果をどう評価しているか、またこれまでの取り組みを踏まえて、今後どのように事業展開をしていくのか、また所管は違いますが、環境保全課でも地球温暖化防止計画を策定し、その一つとして、先日、くみんの広場でのドライフォグ作戦を展開し、大変な反響を呼びました。今後、ハチ公前広場でも、このドライフォグを実現していきたいと考えているようでございます。
セクト主義にこだわらず、組織横断的に情報を共有しながら、連携しつつ事業を展開していくお気持ちがあるや否や、率直なところをお聞かせください。
最後に、椿教育委員会委員長に質問をいたします。
ただ、私は今回、教育問題の質問について、こんなに悩んだことはありません。いじめによるいたいけな児童生徒の自殺、子どもが親や祖母を殺す、四歳の実の子を母親が殴り殺し用水路に投げ込んだ事件、まだまだありますが、人間のやることでありません。母親のやることではありません。鬼畜としか言いようがない。言葉を失います。
さらに、学校長の自殺、中学校の校長が飲酒運転で逮捕されたりと、ショッキングな事件から、果ては、子どもが給食を食べるとき、「いただきます」と言ったら、給食費を払っているのに何でいただきますと言わせるのかと学校に抗議した話、また一方では、生活に困っていないのに「義務教育でしょう、給食を出すのは学校の責任よ」、生活苦からというより「払いたくない」、「払う必要がない」などと、到底常識では通用しないものが過半数を超えているとの調査結果の報道を見て、私は愕然といたしました。何をポイントにして質問してよいか、頭が混乱してしまいました。
最近、読売新聞が行ったいじめについての世論調査では、「家庭教育について問題がある」と答えた人が一番多く、四、五位に「教師の指導力や資質に問題がある」、「学校が責任逃れをして問題を隠す」でした。
作家の立松和平さんは新聞での論評でこう言っております。「今の子ども社会で起きていることは、大人社会の反映だ。『勝ち組、負け組』という言葉がはやる格差社会で、自分の身だけは守りたいという大人の考え方が、いじめをする子どもたちにそのまま映っていると言える。いじめがいいことと思っている子はいないはずなのに、学校がいじめがあると認識していながら表に出さず、自分の身を守ろうとするようなことが続くうちは、いじめられている子だって打ち明けられるわけがない。そして、学校がそんな姿勢を続けなくて済むように、教育委員会や文科省も学校が明るみに出しやすい雰囲気をつくらなければならない。悲劇が相次いでいる今こそ、これを社会運動にしていかなければならない」と話を結んでおります。
都教委もいじめを苦に自殺を予告する手紙が文科省あてに送られたことを受け、八日、教育長名で子どもや保護者に向けた緊急アピールを出しました。手紙の消印は豊島区内と渋谷区、渋谷区教育委員会は無論のこと、区民に激震が走りました。
アピールは、子どもに対して、「どんなことがあっても自らの命を絶ってはいけません。相談する勇気を持ってください。必ずだれかが受けとめてくれることを信じてください」と、自殺を思いとどまるよう繰り返し呼びかけました。保護者にも、「子どもの思いに寄り添い、苦難を乗り越えていく勇気を与えてください」と訴えました。
また、教員には、いじめに対し、毅然とした態度で臨むように促し、いじめのない学校づくりに校長が先頭に立って取り組むよう呼びかけました。
このことだけでなく、十月の事件以来、文科省や都教委から再三通達があったと聞いております。問題は、これからなのです。ややこしい言葉遣いですからよく聞いてください。
区の教育委員会として、通達があったとか、ないとかではなく、最近の社会現象をかんがみて、早くから教育委員会の中でどう議論され、どのような区独自の対策を打ち出し、どのように学校側や保護者に伝え、学校側やPTAがどのように受けとめ、対応策をとったのか、それらの報告を速やかに受け取り、また教育委員会で議論したのか。そして、教育委員の皆さんがどのような見解を出し指示したのか、その内容について詳細にお聞かせいただきたいと存じます。
以上、六点についてて質問をいたしました。できるだけ再質問を避けたいと思いますので、前向きな見解、答弁をお願いいたします。