TOP >> 政策・提言 >>

平成19年第1回定例議会における代表質問
質問者 染谷 賢治

私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区長、教育委員長、教育長にそれぞれ質問をいたします。
質問に入ります前に、一言申し述べます。
平成十五年春、桑原区長が第二十二代渋谷区長に就任され、それまでの小倉区長二期を助役として支えた行政手腕を遺憾なく発揮され、他の二十二区はもとより全国的にも初めてといった数々の施策を打ち出され、そして、関係機関の連携のもと着実に実現をしてきております。日ごろより区内の行事や会合にまめに足を運ばれ、地域を熟知し、区民の声に真摯に耳を傾けて実際に区民の暮らしの見聞きしているからこそできることでありましょう。
かく言う私も、まちの中で様々な要望や提案をお受けすることがあり、区民の声の代弁者たる区会議員として直接に、あるいは我が会派の中で慎重に討論の上、当局にお伝えし、その中で、桑原区長とともに具体的な施策に結びつけてきた自負があるわけです。
高野辰之氏は、かつて代々木の原を流れる河骨川を散策し「春の小川はさらさら流る」と歌いました。また、同氏は「ふるさと」の中で「山は青きふるさと」「水は清きふるさと」と歌っております。これらの風景は、渋谷においてはもう現実に見ることはできませんが、心の原風景として生き続けております。そして「雨に風につけても 思いいずるふるさと」と続きます。
美しきふるさと渋谷を区民とともにつくっていくことをお誓いし、質問に入ります。
最初に、行財政運営について質問いたします。
平成十五年四月に区長に当選され四年が経過しましたが、この間、桑原区長は区政における様々な分野で多くの成果を上げられております。そこで、私は、財政面における桑原区長の実績を、桑原区長誕生前の平成十四年度と本年度等の財政指標の数値を用いて比較、検証してみました。
まず、財政調整基金と都市整備基金を合算した積み立て基金の残高であります。
桑原区長は、平成十四年には二百五十六億円であった基金残高を平成十六年には三十億円、平成十七年度には九十億円と積み増しを行い、今回の最終補正予算においても百十二億円余の積み立てを予定しており、平成十八年度末では五百五十八億円余が見込まれるのであります。区民サービスの向上を図りつつ、中・長期的に安定した行財政運営に資するため、変動の激しい時代にあって着実に蓄えを行い、しかもわずか四年間で二・一倍に増加させたことは目を見張るものがあります。是非とも今後における行政需要等に有効に活用されることを期待するものであります。
次に、区の地方債残高であります。
これは、先ほどの基金が預金とするなら区の借金でありますが、総務省の定める基準であり、各地方自治体の会計を統一的に把握・分析する普通会計ベースの数値では、平成十四年度末の地方債現在高は三百六億円でありました。しかし、それが平成十八年度末の想定では約三十八億円を減らし、残高を二百六十八億円余りにする見込みであります。
破綻をした夕張市の例を挙げるまでもなく、多くの地方自治体ではこの地方債の増加に頭を悩ませ、国では新たな地方財政再生制度の検討を進めているところであります。しかし、本区ではこの四年間に、国の政策にかかわる減税補てん債や施設建設にかかわる新たな起債の発行を行っているにもかかわらず、借金である地方債残高を減らし、かつ預金である基金を倍増させていることは、桑原区長の財政手腕のなせるわざと高く評価するところであります。
また、財政構造の長期安定性や健全性を判断する指標で、数値が高いほど後年度負担が大きいことを示す公債費比率は、一般的に比率が一〇%を超えないことが望ましいとされるものですが、平成十四年度は六・七%であったものが平成十八年度末では四・一%に減少する見込みであり、後年度の負担を極力抑えた財政運営は、区財政の最高責任者としての役割を見事に果たされたものと言えます。
さらに、義務的経費であり弾力性に乏しい人件費率についてであります。桑原区長は、助役時代から行財政改革を積極的に進められましたが、平成十四年度末の人件費率は三九・三%であったものが、平成十八年度末では二七・九%に減少する見込みであります。これはたゆまぬ行革努力の結果だと、高く評価するものであります。
また、人件費と職員定数の抑制については、平成十七年度に渋谷区新行財政改革要綱を制定し、平成十七年度以降、五年間で四百名、率にして一六%以上の定数削減を目指し、平成二十二年四月の職員数を二千人とすることを挙げられましたことは、今後における意気込みが示されているものだと思います。
さらに、経常収支比率であります。人件費、扶助費、公債費等のように容易に縮減することが困難な経常的経費に、区民税などを中心とする経常一般財源がどの程度充当されているかによって財政構造の弾力化を測定するものでありますが、経常収支比率が高いほど新たな住民ニーズに対応できる余地が少なくなり、財政は硬直化していることになるもので、一般的に適正水準は七〇%から八〇%と考えております。本区では、平成十四年度で七八・六%、平成十七年度末で七〇・五%と、常にバランスのとれた財政運営が行われていることが示されております。
このように、桑原区長主導のもとの財政運営は、今、私が紹介した財政指標が示すとおり、特別区二十三区において、また、全国の地方自治体においてもトップクラスであると言えます。
また、今年度、区民意識調査が実施され、このたび報告書が発行されております。これは桑原区政において初めて行われた区政全般にわたる調査であります。回答者の八〇%を超える方が、これからも渋谷区に住み続けたいという定住意向を持っているとの結果がありました。この結果は単に財政指標の数値にとどまらず、何よりも、この四年間の桑原区政の実績がしっかりと区民に評価されていることのあらわれであると考えます。
そこで、桑原区長にお伺いします。
財政指標は輝かしい実績の証左ではありますが、桑原区長御自身はこの四年間をどのように評価しているのか、お聞きいたします。
次に、今後の行財政運営について伺います。
区長は、去る一月二十九日の全員協議会において平成十九年度予算原案の考え方及び概要について説明されましたが、三位一体改革による税制改正のため本区住民税の七十八億七千八百万円余にも及ぶ減収に対して、先手を打って都と協議を進め、さらに区長会にも理解を求め、都区財政調整交付金の特別交付金として三十億を確保できる見通しと発言されております。私は、平成十九年度予算が前年度とほぼ同規模で編成できたのも、この特別交付金が確保されたことが非常に重要なことだったのではないかと考えております。桑原区長の努力に敬意を表するものであります。
特に、昨今の都区財政調整の協議状況から見ても、都や他の特別区が、財調不交付団体である渋谷区の大幅減収に対して特別交付金をあらかじめ準備してくれていたとも到底思えないからであります。
そこで、区長にお伺いします。
まず、今回の特別交付金の確保に至るまでの経緯と、特別交付金三十億円という金額はどのような考え方で算定されたものなのでしょうか。
また、この特別交付金は激変緩和措置とのことですが、三位一体改革による税収減を受け、平成二十年度以降、本区はどのような行財政運営を行っていくのか、区長のお考えをお聞かせください。
次に、都区のあり方検討会についてであります。
東京都と特別区の間の課題については、平成十八年度都区財調協議は主要五課題についてであり、平成十九年度都区財調協議は、三位一体改革への対応として都区の調整率の変更であり、それらは特別区側から見れば不満は残るものの、一定の解決を見たところであります。
しかしながら、さらに大きな課題として、都区のあり方検討があります。昨年十一月、地方自治法に定める都区協議会に都区のあり方検討会が設置され、本年一月には、この委員会に専門的な事項を検討するため幹事会が置かれ、都区のあり方に関しての検討が今後、おおむね二年間を目途に基本的方向のまとめを行うとのことであります。
そこで、お伺いいたします。
桑原区長は、この都区のあり方検討委員会を踏まえ、今後の都と区のあり方や地方分権の進行についてどのようにお考えなのでしょうか、お聞きいたします。
この項目の最後として、旧大和田小学校跡地施設整備についてお尋ねいたします。
旧大和田小学校跡地施設につきましては、文化の拠点として、子どもの夢をはぐくむ場として、また区民の健康づくりのセンターとして、その整備が大いに待たれるところでございます。今日に至るまで文化芸術施策検討委員会に諮問し、条例化したその趣旨を踏まえ、さらには関係団体等の要望を広く受けとめ、また、区民の貴重な意見も参考にされ、今年度末には実施設計が完了する段階に至っております。
基本構想、基本計画、実施設計と手順を踏み、慎重に進められ、平成十九年度予算では三カ年計画のうち一年次目の予算が計上され、建設に着手することと相なりますが、この施設が区民の活動の場として、渋谷の文化発信の拠点として区民に利用され、親しまれることによって初めてこの施設整備の目的が達成されるものであります。
そこで、区長にお尋ねしますが、旧大和田小学校複合施設整備に当たって、残された課題は何か、また、その課題をどのように解決されようとしているのかお伺いいたします。
次に、高齢者福祉についてであります。
昨年十二月に厚生労働省が発表した向こう五十年間の人口予想である将来人口推計によれば、最も現実性が高いと見られる中位推計において、二〇五五年の合計特殊出生率は一・二六、総人口は二〇三五年以降毎年五百人以上が減少し、八千九百九十三万人になるとしております。そして、一層の少子・高齢化が進む中で、高齢化率は四〇・五%にまで膨らむとしております。深刻な人口減少社会の到来を告げるものであります。
そこで、本区の住民記録人口を見ますと、人口回復傾向にある中で、平成十九年一月末の六十五歳以上の高齢者は三万六千三十二人、高齢化率は一八・三%となっております。五年前の平成十四年一月末の一七・六%、十年前の平成九年一月、一六・三%という数字と比較すれば、本区でも着実に高齢化が進行していることが見てとれるところであります。今も高齢化率は高まっていくことが予想されるところであります。
年金、医療、介護など、それぞれに課題はありますが、高齢社会が意味するところは何も悲観的な側面だけではありません。例えば先ほどの厚生労働省の予想においても、今後五十年の間に平均寿命は約五歳伸びるとしております。本区でも、十年前に七人しかいなかった百歳以上の高齢者は、平成十九年一月末で六十三人となっています。
一方、要介護の認定を受けられておられる方は六千九百八十八人で、高齢者のうち八割を超える方々は地域社会の中で自立し、暮らしておられるのです。今まさに長寿時代を迎え、また、これから団塊の世代が高齢者の仲間入りをし、さらに元気な高齢者が増加していく中で、これまで高齢者の方々が蓄積された知識、経験、貴重な財産として地域で生かすとともに、新たなニーズに合った福祉サービスを構築し、活気に満ちた地域社会を形成していくことが改めて重要な課題となってくることは言うまでもないことであります。
桑原区長が「互いに助け合い、支え合いながら連帯の心をはぐくむこと、できる限り元気で介護のお世話にならないような健康づくりに取り組むこと、社会参加や就労の場と機会を提供していくことが重要だ」と指摘されているのは、このような時代の変化を的確に見抜き、時代に先駆けて積極的に切り開いていこうという、まさに的を射た、意欲に満ちあふれた取り組みに対する決意を示されたものであると評価いたします。
これまでも桑原区長は就任以来、区民の声に真剣に耳を傾けられ、元気高齢者の活動拠点となる幡ヶ谷高齢者センターなどの整備、地域福祉の総合相談窓口となる地域包括支援センターの六地区体制から八地区体制への拡大整備、区内五番目の特別養護老人ホーム「美竹の丘・しぶや」や、区内初のグループホーム笹塚など介護保険施設の整備、幡ヶ谷三丁目住宅や幡ヶ谷高齢者共同住宅の設置など、ハードの面での充実は無論、シニアいきいき大学の各種講座の充実、シニアクラブ活性化のための支援、デイサービスの上乗せ等区独自事業の実施など、ソフト面での充実も図ってこられました。また、これらの施設が効果の高い実効性のあるものとなるよう、組織内部の体制としても、福祉部と保健衛生部の統合や敬老館の区民部から福祉保健部への所管変更などを行うなど、その成果には枚挙にいとまがないところであります。
このような実績を踏まえつつ、二月十三日に公表された平成十九年度の予算案を見ましても、主な事業三十五事業のうち十事業が高齢者のための事業として挙げられております。そこに挙げられている「渋谷 仲間とともに生き生きと」という言葉も桑原区長の理念を端的にあらわしたものとして、桑原区長の意気込みの高さが十二分にうかがえるところであります。
このような状況の中で、我が会派も、だれもが健康長寿社会を満喫できるよう、まずは要介護とならないよう、元気高齢者を中心とした健康づくり、生きがいづくりが重要であり、さらに要介護の状態になった場合には安心して福祉サービスを利用できる体制を準備しておくことが、超高齢社会における区民の本当の安心につながっていくものだと考えます。このことは、桑原区長が昨年−−平成十八年三月策定された第三期「しぶや いきいき あんしんプラン」にも、元気高齢者の生きがい・健康づくりのために多彩なプログラムを提供していくこと、高齢者の状態に応じた切れ目のないサービスを提供していくこと、自立した生活を総合的かつ継続的に支援する体制をつくることと整理し、示されているところであり、我が会派はその実現に向けて、桑原区長とともに一致協力して高齢者施策の充実に邁進してまいる決意であります。
そこで、ふるさと渋谷に住む高齢者が、これからも一層安心して生き生きと暮らせる渋谷にしていくために、区長は今後どのような高齢者施策を展開されようと考えておられるのか、改めてお伺いいたします。
三点目として、障害者福祉についてであります。
障害者を取り巻く状況は、従来の「措置から契約へ」という流れの中で、平成十五年度に支援費制度に変わり、平成十八年度からの障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスにと目まぐるしく変化し、利用者の方々にとって、戸惑いや将来への不安もあったことと存じます。
このような中で、桑原区長は障害のある方々や家族の方々の置かれた状況や心情を的確に吸い上げられ、区独自に十分なサービス量の確保や利用者負担の軽減を実施するなど、適切に対応されてこられたことを評価するものであります。
また、桑原区長の障害者福祉の実績として特筆すべきことは、いよいよ障害者福祉複合施設の建設が本格化され、来年六月にはオープンするということであります。
この施設では、区内初となる知的障害者の入所サービスやショートステイ、さらには通所サービスである日中活動サービスのほか、三障害を対象とする相談支援事業などが予定されており、まさに本区の障害者福祉のシンボル施設として、障害者福祉施策の飛躍的な進展が期待されるところであります。
また、我が自由民主党と公明党が中心となって取り組んだ、国の新たなる利用者負担軽減制度に対しても、桑原区長はこれを評価されるとともに、これを踏まえ、さらに区独自の軽減策を充実されるとされております。我が会派といたしましても、桑原区長の迅速な対応を支持、評価するとともに、障害のある方々や家族の方々の実態をよく理解される桑原区長ならではの温かい心に敬意を表するものであります。
しかし、このように障害福祉サービスの充実が図られていく中で、例えば小規模な民営作業所のように、苦労されているところもあります。民営作業所が障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービス事業所に転換できれば、国からの負担金収入等で安定した運営を確保していくことが可能となります。しかし、現在の民営作業所の実態として、規模や利用者の状況がそれぞれ異なり、すべての民営作業所が自らの力だけで、いわゆる法内化を実現するのは困難な状況にあることは否定できません。
この法内化の課題は、去る二月二日に答申があった「渋谷区障害福祉計画(第一期)策定の基本的方向について」においても、重要項目の一つに挙げられております。
これまでの本区の障害者福祉において、民営作業所が果たしてきた役割には多大なものがあります。そのことを思えば、これら民営作業所がこれからも元気よく、力強く活動を続けられるよう、法内化に向けてのハードルを乗り越えていけるよう区が支援することが必要と考えます。
この民営作業所の問題に限らず、桑原区長の手によってぬくもりのある、温かい渋谷区の障害者福祉施策が実現されるよう期待するところでありますが、その点について区長の考えをお伺いいたします。
四点目として、少子化対策、子育て支援について質問をいたします。
就任以来、桑原区政の四年間を省みますと、桑原区長は、未来を託す子どもたちの健やかな成長のための子育て支援環境の整備を区の重要課題の一つに位置づけられております。
まず、乳幼児から児童、青少年に至る子どもと家庭のあらゆる相談に応じるとともに、深刻化する児童虐待の早期発見、早期対応を図るため、子ども家庭支援センターを開設しました。また、この子ども家庭支援センターのもとに子育てひろばや子育て教室、短期緊急一時預かり等を行い、家庭で子育てする保護者を支援する子育て支援センターを新たに三カ所開設し、現在五カ所となっております。
保育につきましては、平成十七年には保育料について、中間所得者層の保護者負担を軽減するため保育料を五〇%から三〇%軽減しました。また、待機児解消の一環として、新たに認証保育所の開設も現在三カ所となっています。さらに今年度、新たな手法として指定管理者制度を活用した、二十四番目となる公設民営の美竹の丘保育園を開設しました。また、全国に例のない、妊娠期間中の経済負担を軽減するためのハッピーマザー助成の実施に加え、従来の「乳幼児医療費助成制度」を「子ども医療費助成」と改め、中学三年生までの入院費について、所得制限なしで拡大しました。加えて、授業が終わった後、小学校で児童を預かる放課後クラブを本年四月までにすべて区立小学校で開設することとし、教育施設を活用し、放課後児童の生活の質を大いに高めています。
区長就任の四年間で、本区の子育て環境は着実に整備され、マスコミにも大きく取り上げられ、全国でもトップ水準の子育て環境を実現させました。このことは、子育て中の保護者にとって大きな支えとなるものであり、我が会派として、桑原区長の子育て支援に対する熱意に敬意を表したいと思います。
区長は先ほど所信表明の中で、少子化対策、子育て支援について「生みやすい・育てやすい・働きやすい環境整備を図る」と述べています。
平成十九年度予算において、まず、区長は昨年第四回定例会において我が会派が提案した子ども医療費助成について、通院費を中学三年生まで所得制限なしで拡大することを本年十月から実施する予算を計上しました。三位一体改革等、厳しい財政状況の中で、平成十九年度中の実施を決断されたことを高く評価します。
また、新規事業として特定不妊治療助成、子どもの病気相談、子どもショートステイの実施、「しぶや家庭の医学〜小児編」さらには六カ所目となる子育て支援センターの広尾地区への開設など新たな子育て支援策を挙げ、さらには保育園の定数増、認証保育所の増設、育児支援家庭訪問事業の拡大等を図っており、継続して子育て支援を区の重要課題と位置づける桑原区長の強い意思がうかがえます。
とりわけ家庭で子育てする保護者は、育児に関して相談する相手もなく、自分一人で悩み、ストレスを抱えることが多いと聞きます。子育て支援センターは、そういう保護者の相談に乗り、適切にアドバイスをしたり、また、保護者同士のよい交流の場となっています。
そこで、子育て支援センターについてお尋ねいたします。
少子化が一層進行する中で、渋谷区次世代育成行動計画の基本理念である「子育て、子育ちをあたたかく支えるまち渋谷」の実現に向けて、とりわけその基本目標の一つである「子育てが楽しめる環境づくり」の中で、地域における子育て支援のため六カ所目も予定されている子育て支援センターを今後どう活用していくのか、今後、他の地域においても子育て支援センターをさらに増設していく考えはあるのか。
また、本日の所信表明の中で、平成十九年度、広尾地区に子育て支援センターを開設すると述べておられますが、広尾地区のどこに開設する考えなのか、それぞれ区長の所見を伺います。
次に、安全・安心対策について区長に伺います。
桑原区長は区長に就任以来、区民の皆様方の声に真摯に耳を傾け、強いリーダーシップを発揮され、区民の皆様方が真に求められる施策を積極的に、かつ可及的速やかに実施されてこられました。
その中において、特に犯罪の急増に伴う治安悪化に対しては、不安や心配を訴えられ、安全で安心して暮らしたいとの区民の皆様方の切実なる願いにこたえるべく、行政の責任者としての立場から、これらを渋谷区政における大きな課題の一つとしてとらえ、使命感と大いなる情熱をもって、他の自治体からも注目されるような斬新で、かつ効果的な安全・安心にかかわる諸対策を積極的に実施してこられました。
平成十六年には、青少年に係る犯罪によって生じた「怖いまち渋谷」とのイメージを払拭するため、当時、全国的にも非常に珍しかった安全・安心にかかわる施策等を担当する専管組織を設けて、警察等関係行政機関を初め東京都、近隣区等とも連携を強化して安全対策に取り組んでこられました。
例えば、渋谷区としての立場から身近な犯罪の発生状況や防犯等の情報を広く区民に知らせるため「しぶや安全・安心メール」の配信業務を開始したり、区独自に街頭防犯ビデオカメラを設置し、繁華街地区における治安の向上に寄与したり、さらには区内における地域防犯力の向上や、自主防災組織の結成促進や自主防犯リーダーの育成のための渋谷区防犯リーダー実践塾を開催したりして、防犯意識向上の啓発活動にも積極的に取り組んでこられました。その結果、今般までに区民の皆様方が身をもって実感できる「安全で安心して暮らせるまち渋谷」を実現されました。その情熱とひたむきな取り組みについては、多くの人たちが高く評価するところであります。
区長は以前、本会議において「我がまち渋谷、ふるさと渋谷は、私たち渋谷に暮らす者だれにとってもかけがえのないまちであります」と答弁されました。
特に都市化が高度に発達した本区においては、このままでは健全な地域コミュニティが崩壊するものと強く危惧され、安全・安心のまちづくりの観点などを踏まえ、公序良俗に反する行為の場に利用されやすいラブホテルを建築の面から区内全域で規制をし、良好な生活環境、教育環境を確保するため、平成十八年六月、渋谷区ラブホテル建築規制条例を制定されました。特に区長は、この条例の制定過程においては、数回にわたって自ら東京地方検察庁と直接協議を行うなど、区長のこの条例の制定にかける情熱は並々ならぬものと聞き及んでおります。
また、その後直ちに、極めて短期間的に使用者の入れかわるマンスリーマンション、ウィークリーマンション、レンタルルームについて、これらが違法な性風俗の場などとして使われることへの懸念や、その使用のあり方によっては地域の健全な風紀を乱すおそれもあることから、青少年の健全育成を図り「安全で安心して暮らせるまち渋谷」を形成するため、区内における一定の地域においてこれらの建築を規制する、渋谷区マンスリーマンション等建築等規制条例を平成十八年十月に制定されました。この条例は他の自治体にはなく、全国初めての条例であります。
これら二条例は平成十八年十二月十五日に施行され、区民の皆様方は無論のこと、他の自治体や新聞の報道等においても高く評価されております。
そこで、区長にお伺いします。
二条例施行後、約三カ月弱と短い期間でありますが、この二条例の運用状況、成果等についてお尋ねいたします。
六点目として、地域商店街振興について伺います。
我が国の景気は、今や期間で言えば「いざなぎ景気」を超えたと言われておりますが、町場の声を聞いてみますと、個人消費等にいま一歩力強さが感じられず、区内の消費者や中小企業にとっては景気回復の実感に乏しいというのが実態ではないでしょうか。
こうした、いまだ消費、物価ともに先読みが難しい状況にあって、桑原区長は商店街振興策について御尽力をされました。
平成十五年のいまだデフレ不況から抜け出せない時代にあって、次年度施策に反映できるようにと、渋谷区中小企業者・商店街活性化策検討委員会に対し地域の中小企業や商店街の具体的な活性化策について検討を依頼され、その報告に基づいて、商店会加入者のための新たな融資資金制度の創設を初めイベント事業の充実など、商店街の活性化策や、区民の離職者対策についても具体的な施策を講じてきました。さらに平成十七年四月、渋谷区新たな商業振興のための条例を施行され、商店会への加入促進のための規定を整備され、商店会の組織強化と商店会活動の充実を図ってこられました。
また、観光施策についても組織を整備された上で、マークシティ内に渋谷区の観光情報の発信基地として観光物産展示場を設置され、観光施策にも精力的に取り組んでこられました。
そして今年度は、商店街のにぎわいに欠かすことのできない生鮮三品業種の減少に少しでも支援ができないかということで、食肉事業渋谷支部が行う事業について、経費の一部補助という施策を打たれました。この事業はマスコミでも大きく取り上げられ、全国の自治体から注目を浴び、いまだに問い合わせがあるということで、その反響を見ても、効果的かつ大変に好感の持てる支援策であったことは評価するものであります。この事業をきっかけとして、地元商店街のにぎわいにも弾みがつけばと考えております。
さて、今後の区内商店街のさらなる活性化について展望すると、渋谷駅を中心とする中央エリアに属する商店街と住宅地を背後に抱える周辺商店街の地域性には違いが見られるなど、区内商業集積は二極化が進んでいると思われます。
渋谷や原宿・恵比寿駅を中心とした中央エリアにおいては来街者が絶えることなく、商業・文化・観光スポットとして広域な商圏を持った大規模な集積を確立していると言えましょう。こうした地域においては、観光客をも含む来街者を主なターゲットとした街のますますの魅力の発信が求められ、今後も民間活力を生かした集積の魅力を高め、吸引力を増大する必要があると思います。
しかし、このような中央エリアを除く地域に位置し、住宅地を背後に持つ地域密着型の商店街においては、スーパーやコンビニ等の総合型店舗の進出、後継者不足による廃業店舗の増大、他の商業エリアへの移動のための交通手段が向上したことに伴い、これまで商店街を構成してきた単一的業種の個店への客足が減少し、特に生鮮三品等の業種を中心に、食料品や物品販売の店舗数が減る傾向にあります。このような傾向に歯どめをかけ、再び活性化させる施策の展開が望まれるところであります。
そこで、質問の第一点目としまして、地域密着型商店街の今後の活性化について、どのような方針で商店街振興に取り組まれるのか御所見をお聞かせください。
また、平成十九年度予算で計上されているポイントカード導入の目的と準備状況、今後の展望についてお尋ねします。
二点目は、商店会への未加入について、その対策についてであります。
最近は、ドラッグストアなど、いわゆるチェーン店等が地元商店会に加入せず、商店街活動に協力をせず、商店会の一体性のある組織運営に支障を来す事態が生じております。区条例により商店会加入が努力義務として課されており、各商店会とも大きな勇気を得ておりますが、なお悩みも多いと聞いております。今後、未加入を解消し、商店会へ加入促進を進めるための具体的な方策についてどのようなお考えをお持ちなのか、お尋ねいたします。
区長への最後の質問として、まちづくりについて、大きく二点について伺います。
まず、これからのまちづくりの方向性についてお尋ねします。
桑原区長が区長に就任されてから、まちづくりに取り組む姿勢を総括しますと、私はこのように思うところであります。まちの変化を的確にとらえながら、地域の実情に適合したまちづくりに積極的に取り組まれ、大いなる成果を上げてこられたものと思っております。
その一つが、まちづくりの基本条例であるまちづくり条例を、平成十七年十月に制定されたことであります。
平成十二年三月に制定した、渋谷区のまちづくりの憲法とも言われている都市計画マスタープランを絵にかいたもちにすることなく、それを実現し、文教住宅都市としてのまちと、渋谷副都心による商業・業務・交通拠点としてのまちの二つのまちの調和を図るため、このまちづくり条例で区、区民及び企業等が相互に連携、協力して進める協働型のまちづくりの理念、手続について明確に規定されたことは大変意義あることであり、本条例は、地方分権改革のあらわれの一つであると私は認識するものであります。
まちに目を転じてみれば、このまちづくり条例に基づき、区の認定を受けた複数の認定まちづくり協議会が各地域で区と連携、協力しながら、地区計画の策定を初めとした独自のまちづくりの取り組みを自主的に進めておられます。まさに区と区民及び企業等による協働型のまちづくりが実践されており、すばらしい成果であると考えております。
二つ目は、協働型のまちづくりを実践する基本的手法として、地域の合意に基づく地区ごとのまちづくりのルールである地区計画を、地域特性に配慮されながらその策定を推進されてきたことであります。
地区計画の策定には、長い時間と地道な努力の積み重ねが必要であります。地域で問題が起こってから地区計画を策定するのではなく、地域の方々が日ごろからまちづくりを考える中で事前に策定することが重要であるとの考えのもとに、桑原区長は就任早々、地域の環境を守るため、美しい景観で全国的にも知られる旧山手通りにおいて地区計画の策定に取り組まれるとともに、次々と、神宮前五丁目・六丁目地区地区計画、及び本町二丁目・三丁目地区地区計画を策定されました。そして現在は、広尾五丁目地区、渋谷駅東口地区及び桜丘地区の複数の地区計画の策定に同時に取り組まれており、地域の皆さんと協議を重ね、合意形成に向け協働型のまちづくりを実践されておられます。
まさに時宜を得た施策展開であるとともに、地区計画の策定を的確に誘導し、区民とともに、計画的にまちづくりを推進されていることを評価するものであります。
ところで、今日の渋谷区内を見渡してみますと、建築基準法の規制緩和が進む中、景気の回復と相まって、建築物の建てかえ更新が活発化しております。大規模敷地や幹線道路沿道では高層の建築物が建設されるとともに、土地利用においても敷地の細分化等が進み、これまで守られてきた良好な環境や町並みが崩れていくことが懸念されております。
一方、派手な色彩、デザインの建物や看板が地域の環境や雰囲気を壊してしまうことがあるかもしれません。また、長い時間をかけて育ち、地域の環境に潤いを与えてきた樹木が、開発で伐採されてしまうことがあるかもしれません。このように、まちとしての良好な環境を維持する機能が薄れ、しかも長い月日をかけて培ってきた地域の環境、文化にも大きな影響を与えることなどが懸念されております。
しかしながら、一方では副都心としての活力ある都市機能の更新も必要とされるなど、新たな今日的課題も発生しております。区長はこうした新たな課題に対してもしっかりと目を向けられ、渋谷区の「二つのまちの調和」を図る観点から、その解決策として、景観法に基づく景観計画の策定、土地利用調整条例の制定、建築物の絶対高さ制限の導入について、これからのまちづくりの方向性として力強く示されました。まちづくり条例の基本理念と都市計画マスタープランに示された都市の将来像をしっかりと見据えられ、現在、検討されているこれら三つの制度が相互に連携・活用され、実効性のあるものとして施行されていくことを願う次第であります。
そこで、区長にお尋ねします。
これからのまちづくりの方向性として、景観計画の策定、土地利用調整条例の制定、建築物の絶対高さ制限、この三つの制度の導入に向けてのスケジュールと、その内容はどのようなものなのか、わかる範囲で御答弁をいただきたいと思います。
次に、首都高速道路中央環状新宿線及び山手通り拡幅事業に関連して質問いたします。
この首都高速道路や中央環状新宿線及び山手通りは、多くの人々の暮らしを支える首都・東京の交通の大動脈となるものであり、現在、中央環状新宿線の整備工事が急ピッチに進められております。
振り返ってみますと、これらの事業については十九年前の昭和六十三年の二月に富谷小学校において事業説明会が開かれ、その後、平成三年三月に事業認可がおりてから本格的に事業が開始されたのであります。そして昨年、中央環状新宿線の整備について、高速五号池袋線から同四号新宿線までの区間が本年十二月までに、また、残された同四号新宿線から同三号渋谷線までの区間は平成二十一年度中に完成すると正式に発表されたところであります。
一方、山手通りの拡幅整備については、中央環状新宿線が完成して、車道内の地下埋設物の埋め戻しの後、本格的な工事に着手し、その完成までには二年ないし三年程度の工期を要すると聞いております。
こうして考えてみますと、事業着手から全体完成まで二十数年という長い時間と労力を要する大事業となりますが、私はこの間、工事による騒音、振動の問題を初め換気塔がもたらす環境問題や、沿道建物や取りつけ区道との段差の問題、代々木八幡付近の高低差のある地形への対応、さらに八幡橋拡幅に伴う代々木八幡駅周辺の問題など、地域の様々な課題について、東京都や首都高速道路株式会社などの関係機関と交渉を重ねる一方、区議会本会議においても渋谷区の取り組み状況や対応について質問してきたところであります。
桑原区長は、こうした様々な地域の課題を真正面から受けとめ、関係機関の責任者に直接要請するなど積極的に取り組まれてきたところであり、その結果、一つ一つ問題解決が図られたことについて改めて高く評価するものでありますが、現段階において残されている課題が一つあります。
それは、八幡橋拡幅に伴う代々木八幡駅周辺にかかわる問題であります。
この代々木八幡駅周辺地域は高低差のある複雑な地形であるため、山手通りの拡幅整備に合わせて解決しなければならない課題があり、駅のバリアフリー化への対応、踏切問題等について、平成十六年第一回定例会において区の考え方を質問したところであります。これに対して、区長は「小田急電鉄が輸送力増強のため代々木八幡駅の駅舎改良を検討しており、歩行者のバリアフリー化や八幡橋からのアプローチなども検討課題となるため、踏切問題ともあわせて、鉄道事業者からの提案を待って対応していく」と答弁されました。
しかし、三年が経過した現在、小田急電鉄との協議も一定程度進んでいると考えますが、現段階において具体的な計画が見えてきません。この計画は、先ほど申し上げたような地域の課題を総合的にとらえた上で、駅周辺のまちづくりの方針を踏まえ、鉄道事業者の考え方だけではなく、周辺地域や地元商店街等の意見も十分反映されたものでなければならないと考えるものであります。
そこで、区長に伺います。
第一点は、現在、代々木八幡駅改良計画の協議はどのようになっているのか。
二点目、この計画に対する区の基本的なスタンスをどのように考えていくのかお聞かせください。
最後に、教育について大きく二点伺います。
安倍総理大臣は本年一月の施政方針演説において、教育再生を内閣の最重要課題と位置づけ、次のように述べられております。「公共の精神や自立の精神、自分たちが生まれ育った地域や国に対する愛着、愛情、道徳心、こうした価値観をしっかり子どもたちに教えていくことこそ日本の将来にとって極めて重要であると考える」また「すべての子どもたちに必要な学力を身につける機会を保障するため、ゆとり教育を見直し、必要な授業時間を確保する」としています。私は、全く同感であります。
今日の我々の豊かな生活が、これまで先人の方々の教育にかける熱意や献身、また大きな経済上の負担等の上に成り立っていることに思いをいたせば、我々世代も責任を持って次世代を担う子どもたちへの教育を行っていかなければなりません。
そこで、渋谷の教育についてお尋ねいたします。
学力の向上や特別支援教育の実施、道徳性等の育成や心と体の健康づくり、これら子どもたちを取り巻く様々な事情に対応し、明確な展望を持って新年度を迎えられると考えておりますが、その具体的な体系をお示しいただきたい。
基礎となるのは、何といっても教師の力であろうと考えます。人事は都がつかさどり、区には限界があることは承知しておりますが、その力量アップのための取り組みはどのようなものでしょうか。
このことは教育の根幹であると存じますので、教育委員長に伺います。
次に、教育長にお尋ねいたします。
昨年の第四回定例会でも渋谷区のいじめに関する対策が話題になり、平素からの取り組みと新たなる対応を具体的にお示しいただいたものです。その際、悩みを引き出すことの糸口として中学生全員にアンケートを実施し、その分析を進め、いじめ根絶のためのリーフレットとして活用していくとのお話をいただきました。区内の状況は落ち着いたものであるとしても、報道が鎮静化したからといって手をこまねいているわけにはまいりません。その後どのような分析をなさって、どのような活用を目指していくのか、お答えいただきたいと思います。
一方、不登校も依然としてあるようです。いじめに起因するもの、家庭の事情によるもの、あるいは学習についていけないことが原因であるもの等、様々な要因があると思いますが、思い出深い豊かな小学生・中学生時代を過ごすためにも充実した支援体制が必要であると考えますが、具体的な対策について伺います。